レビュー

その美しさが「特別な満足感」を生み出す──デル「XPS M2010」(3/3 ページ)

そのスタイルに誰もが魅入ってしまうXPS M2010。しかし大事なのは見た目じゃない。使い勝手と性能を知らずしてXPSノートは語れないのだ。

前のページへ |       

実は強力なハイパフォーマンス構成

 その斬新なスタイルやデル クライアント製品マーケティング本部XPS M2010ブランドマネージャー 石川里美氏の「M2010はゲームというよりはエンターテイメントノート」という発言もあってか、XPS M2010のパフォーマンスはそれほど注目されていないが、その構成をチェックするとCPUにはIntel Core Duo T2600、最大4GバイトのDDR2メモリ、RAIDを構成できる2台の内蔵HDD、そしてグラフィックスチップはMobility Radeon X1800と、パフォーマンスを重視するゲームユーザーも見逃すことができないハイパフォーマンスパーツがBTOで用意されている。そのパフォーマンスをベンチマークで測定した結果は以下のようになっている。

AMP 非対応のコンテンツです。こちらからご覧ください。

AMP 非対応のコンテンツです。こちらからご覧ください。

advertisement

AMP 非対応のコンテンツです。こちらからご覧ください。

 Mobility Radeon X1800を搭載しているので3Dグラフィックス性能も期待できる。ただし、ビデオメモリをメインメモリと共有するHyperMemoryを採用しているため(デルの説明ではローカルで持っているビデオメモリは64Mバイト、共有メモリと含めて最大256Mバイトサポート)ため、先日紹介したGeForce Go 7900GTXを搭載したXPS M1710ほどではないが(こちらはビデオメモリを512Mバイト搭載した状態で測定してる)、それでもミドルレンジGPUやチップセット内蔵グラフィックコアを使っているノートPCと比べたら圧倒的に性能が高い。1680×1050ドットというゲームPCとしては高い解像度で十分に3Dゲームを動かすだけのパフォーマンスを発揮してくれる。

インタフェースは本体に集中しているので、キーボードをつけた状態ではかなり後ろ寄りに感じる。カードスロットは右側面に、USBは左側面と背面に用意されている

本当の「特別な満足感」をユーザーに提供できるか

 XPS M2010はそのサイズとスタイル、そしてセパレート型のキーボードなどから「これがノートPCである必然性はあるのか」「液晶一体型PCとなにが違うのか」という議論になりやすい。しかし、それよりも大事なのはPCのカテゴリーではなく「ユーザーにどのような使い方を提供してくれるのか」ということになる。デルがいうところの「特別な満足感」を“イメージ”だけでなく本当に使えるものとしてXPS M2010だけが提供できるものがどれだけ用意されているのだろうか。

 国内メーカーのハイエンドノートPCがAV機能を重視して「大画面」「高画質エンジン」「デジタル放送対応」「デジタルコンテンツのムーブ」「1920×1200ドット表示でフルHD対応」というスペックを最上位モデルで搭載している。最も新しいラインアップでは「次世代光学ドライブ内蔵」モデルも登場している。

 XPS M2010はデルの最上位ノートPCというだけでなく、いま述べたAV利用を重視したハイエンドノートPCと競合していくことになる。そのスタイルやギミックはもちろんユーザーを満足させてくれるだろう。これはXPS M2010でないと提供できない要素だ。

 「高画質」というキーワードにおいて、XPS M2010はMobility Radeon X1800のベンダーであるATIが提供する高画質化機能「Avivo」を利用するとデルは説明している。ただし、評価機ではAvivoの設定を行う「Catalyst Control Center」が正しく機能していなかったためその状況を確認できていない(.NET 2.0のインストールで中断してしまうためCatalyst Control Centerが導入できなかった)。そのため、高画質機能についてこのレビューでは言及しない。

 国産の最上位ノートとスペックを比較してユーザーが最も気になるのが「デジタル放送対応」「デジタルコンテンツのムーブ」「1920×1200ドット表示でフルHD対応」にXPS M2010が対応していないことだろう。「この機能がない」ということを日本のユーザーはとても重視して考えているが、一方でデジタル放送やフルHDコンテンツを利用したいと考えるユーザーは圧倒的多数ではなかったりする。だからといって40万円以上と予想されているXPS 2010の価格を考えるとき、「いま利用できるコンテンツの状況を考えればこのスペックでも十分で問題ない」というのは無責任かもしれない。

 20.1インチの液晶ディスプレイといま存在するすべてのノートPCとははっきりと次元が異なるそのスタイル、そして卓越したハイパフォーマンス。これらがXPS M2010がほかのノートPCでは得ることができない「特別な満足感」のすべてといっていい。この要素を重視するユーザーにとってXPS M2010が唯一の選択肢となるのは間違いないだろう。

AMP 非対応のコンテンツです。こちらからご覧ください。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.