その斬新なスタイルやデル クライアント製品マーケティング本部XPS M2010ブランドマネージャー 石川里美氏の「M2010はゲームというよりはエンターテイメントノート」という発言もあってか、XPS M2010のパフォーマンスはそれほど注目されていないが、その構成をチェックするとCPUにはIntel Core Duo T2600、最大4GバイトのDDR2メモリ、RAIDを構成できる2台の内蔵HDD、そしてグラフィックスチップはMobility Radeon X1800と、パフォーマンスを重視するゲームユーザーも見逃すことができないハイパフォーマンスパーツがBTOで用意されている。そのパフォーマンスをベンチマークで測定した結果は以下のようになっている。
PCMark05 | |
PCMark | 4828 |
CPU | 4974.0 |
Memory | 3256.0 |
Graphics | 4655.0 |
HDD | 4024.0 |
HDD - XP Startup | 8.9 |
Video Encoding | 312.9 |
Image Decompression | 25.9 |
WMV Video Playback | 42.6 |
PCMark04 | |
PCMark | 6682 |
CPU | 6157.0 |
Memory | 4144.0 |
Graphics | 7386.0 |
HDD | 4179.0 |
WMV Video Compression | 80.7 |
DivX Video Compression | 77.3 |
1024×768ドット、nonAA、nonAniso | 1024×768ドット、4XAA、8XAniso | 1600×1200ドット、nonAA、nonAniso | 1600×1200ドット、4XAA、8XAniso | |
3DMark06 SM2.0 Score | 1311 | 1096 | 953 | 615 |
3DMark06 Pixel Shader | 139.072 | 108.789 | 67.599 | 54.895 |
3DMark06 Perlin Noise (SM3.0) | 28.277 | 28.063 | 12.686 | 12.605 |
3DMark03 3DMark Score | 11442 | 7166 | 7368 | 4468 |
3DMark03 GT1 | 309.0 | 201.7 | 184.1 | 118.6 |
3DMark03 GT4 | 71.5 | 56.1 | 52.2 | 36.8 |
Mobility Radeon X1800を搭載しているので3Dグラフィックス性能も期待できる。ただし、ビデオメモリをメインメモリと共有するHyperMemoryを採用しているため(デルの説明ではローカルで持っているビデオメモリは64Mバイト、共有メモリと含めて最大256Mバイトサポート)ため、先日紹介したGeForce Go 7900GTXを搭載したXPS M1710ほどではないが(こちらはビデオメモリを512Mバイト搭載した状態で測定してる)、それでもミドルレンジGPUやチップセット内蔵グラフィックコアを使っているノートPCと比べたら圧倒的に性能が高い。1680×1050ドットというゲームPCとしては高い解像度で十分に3Dゲームを動かすだけのパフォーマンスを発揮してくれる。
XPS M2010はそのサイズとスタイル、そしてセパレート型のキーボードなどから「これがノートPCである必然性はあるのか」「液晶一体型PCとなにが違うのか」という議論になりやすい。しかし、それよりも大事なのはPCのカテゴリーではなく「ユーザーにどのような使い方を提供してくれるのか」ということになる。デルがいうところの「特別な満足感」を“イメージ”だけでなく本当に使えるものとしてXPS M2010だけが提供できるものがどれだけ用意されているのだろうか。
国内メーカーのハイエンドノートPCがAV機能を重視して「大画面」「高画質エンジン」「デジタル放送対応」「デジタルコンテンツのムーブ」「1920×1200ドット表示でフルHD対応」というスペックを最上位モデルで搭載している。最も新しいラインアップでは「次世代光学ドライブ内蔵」モデルも登場している。
XPS M2010はデルの最上位ノートPCというだけでなく、いま述べたAV利用を重視したハイエンドノートPCと競合していくことになる。そのスタイルやギミックはもちろんユーザーを満足させてくれるだろう。これはXPS M2010でないと提供できない要素だ。
「高画質」というキーワードにおいて、XPS M2010はMobility Radeon X1800のベンダーであるATIが提供する高画質化機能「Avivo」を利用するとデルは説明している。ただし、評価機ではAvivoの設定を行う「Catalyst Control Center」が正しく機能していなかったためその状況を確認できていない(.NET 2.0のインストールで中断してしまうためCatalyst Control Centerが導入できなかった)。そのため、高画質機能についてこのレビューでは言及しない。
国産の最上位ノートとスペックを比較してユーザーが最も気になるのが「デジタル放送対応」「デジタルコンテンツのムーブ」「1920×1200ドット表示でフルHD対応」にXPS M2010が対応していないことだろう。「この機能がない」ということを日本のユーザーはとても重視して考えているが、一方でデジタル放送やフルHDコンテンツを利用したいと考えるユーザーは圧倒的多数ではなかったりする。だからといって40万円以上と予想されているXPS 2010の価格を考えるとき、「いま利用できるコンテンツの状況を考えればこのスペックでも十分で問題ない」というのは無責任かもしれない。
20.1インチの液晶ディスプレイといま存在するすべてのノートPCとははっきりと次元が異なるそのスタイル、そして卓越したハイパフォーマンス。これらがXPS M2010がほかのノートPCでは得ることができない「特別な満足感」のすべてといっていい。この要素を重視するユーザーにとってXPS M2010が唯一の選択肢となるのは間違いないだろう。
XPS M2010(評価機構成) | ||
CPU | Intel Core Duo T2600(2.16GHz/uFCPGA) | |
チップセット | Intel 945GM Express | |
ノース/サウスブリッジ | Intel NG82945GM/FW82801GBM | |
L2キャッシュ | 2048KB(CPU内蔵) | |
メインメモリ | 容量 | 2048Mバイト |
規格 | DDR2 SDRAM(PC2-5300) | |
メモリスロット(空き) | 200ピンSO-DIMM×2(0) | |
ハードディスク | 容量 | シリアルATA 120Gバイト×2(RAID 1で実質120Gバイト) |
内蔵ドライブ | DVDスーパーマルチ | |
型名 | TEAC DVW28SLZ | |
ディスプレイ | サイズ | 20.1インチ |
解像度 | 1680×1050ドット | |
グラフィックスチップ | Mobility Radeon X1800 | |
グラフィックスメモリ | 64Mバイト(メインメモリ共有で最大256Mバイト) | |
サウンドチップ | チップセット内蔵(HDオーディオ) | |
光デジタル音声出力 | 角形×1(外付け) | |
PCカードスロット | - | |
Expressカードスロット | Expressカード54/34×1 | |
メモリカードスロット | 13in2スロット | |
USB | USB 2.0×4 | |
IEEE1394 | S400/4ピン×1 | |
ビデオ出力 | Sビデオ | |
ポインティングデバイス | タッチパッド | |
イーサネット | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T | |
無線LAN | IEEE802.11 a/b/g準拠 | |
FAXモデム | 56kbps(V.90)/14.4kbps | |
外形寸法 | W470×D205.6×H75.3ミリ | |
重量 | 約8.31キロ | |
搭載OS | Windows XP MediaCenterEdition |
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