レビュー

「あぁ、なるほどね」と思わず納得──“水冷ユニット内蔵”電源「WATER COWBOY」を試す(1/3 ページ)

今夏、水冷キットの導入を考える自作ユーザー向けに「あぁその手があったか、なるほどね」と思わせる“結構買い!”なアイデア複合製品が登場した。それが水冷ユニットを“内蔵”してしまった電源「WATER COWBOY」だ。早速組み込みは簡単か、冷却性能と騒音レベルはいかほどかをチェックしてみよう。

 かなり変り種の製品を投入する、DIGITAL COWBOYから初の本格派(?)PCパーツが登場した。それが水冷ユニット内蔵のATX電源「WATER COWBOY」だ。本機はATX電源にCPUの水冷ユニットを内蔵してしまったというもので、コンパクトなPCケースも手軽に水冷PCを実現できるのが特徴となっている。

IGITAL COWBOY「WATER COWBOY」(DC-WCPW450)。価格は2万3000円前後(+D Shoppingで最安値をチェックする)。見た目は一般的なATX電源だが、電源ケース内に冷却水タンク、ラジエータ、ポンプが内蔵されている。ほかCPUブロックとアタッチメント、チューブ、冷却水、グリスなどが付属する

 本機はCPU水冷ユニットの大部分をATX電源の内部に内蔵させることで、従来の水冷システムが抱えていたいくつかの難点をクリアしたアイデア製品だ。従来製品には別途必要だったラジエータ・ポンプ部を設置するスペースもいらず、それらは電源部にすべてまとまっていることから、ラジエータ部とCPU冷却ユニットを結ぶチューブをほぼ最短で結べる。製品を実際に見てみると「ああ、なるほどね」と納得させる組み合わせである。

電源回路とラジエータ(冷却水)をまとめて冷却する12センチファンを1基、底面に装備する。奥には冷却水を循環させるためのチューブ取り付け口がある

 電源部には、90年代後半に静音電源として名を馳せたSevenTeam製の450ワットのものが採用される。電源ユニットの下部に吸気用の12センチファンを備える現在トレンドの構造で、低回転でも十分な風量を確保する。電源ユニット規格はATX 2.0で、ハイスペックCPUの動作に重要な+12ボルトを16アンペアずつ2系統を確保する構成となる。Pentium Extreme Edition 955やAthlon 64 FX-60といったハイエンドCPUも動作検証済みとのことで、適用範囲も広い。

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 メインのATX電源コネクタは合体タイプで、変換ケーブルなしで20/24ピンコネクタに対応する。ATX 12ボルト(4ピン)/EPS12ボルト(8ピン)に加え、PCI Expressグラフィックスカードの補助電源として利用する6ピンコネクタを2つ、ペリフェラル電源コネクタに通常の4ピンタイプを8つ、FDD用の小型タイプを1つ、Serial ATA用を2つ用意する。

 なおPCI Expressグラフィックスカード用補助電源コネクタを備えることでNVIDIA SLIやCorssFire構成にも対応するが、電源の定格容量を考えると、現行ハイエンドクラスのグラフィックスカード2枚挿し構成は辛そうだ(関連記事参照)


電源スペックはこの通り。450ワット電源としては各出力のバランスも平均的だ
CPUブロック内部は円柱状の突起が無数に配置されている
手持ちの電源ユニットを重ねて大きさを比較するとこのような感じになる。一番下はトップパワー製600ワットモデル。ATX電源としては大型タイプで、本製品の奥行きはほぼ同じ。上は300~400ワットクラスの電源ではよくあるサイズで、これと比較するとやはり奥行きがある

 水冷ユニットは、冷却タンクとラジエータ、ポンプが電源ケース内に内蔵される構成だ。CPU冷却ブロックはLGA775およびSocket 754/939に対応し、それぞれの固定金具が付属する。なお、新しいSoekct AM2用の固定金具も別途販売が予定されている。

 本体サイズはATX電源ユニットとしては少し大きめである。奥行きは500ワット超クラスの電源によくあるサイズで、さらに底面の冷却ファン部が少し出っ張っている点には注意が必要だ。もっともラジエータ、冷却水タンク、ポンプの全てが一体化されているのだからこのサイズは十分コンパクトともいえるわけなのだが。

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