「Core2 Duo」「Intel G965」構成の新世代コンパクトPC──デル「Dimension 9200 C」(2/2 ページ)
企業でも個人でも需要が多い省スペースデスクトップ。Core2 Duo時代の統合型チップセットとして期待されるIntel G965を搭載したデルのコンパクトPCが登場した。
省スペースと筐体デザイン、パフォーマンスのバランスが絶妙にとれた設計に注目
9200Cの魅力として、まずは、5150Cから継承されたスタイリッシュなデザインと小さなフットスペースが挙げられる。超小型とまではいえないものの、よりコンパクトなスリムタワーPCにありがちな「スタンド」が不要なため、デスクトップPCとしてはフットスペースは最小の部類に入るはずだ。レバーひとつで側面パネルを取り外しでき、nano BTXマザーボードを採用した内部構造も5150Cから変更されていない。内部のドライブなどもレバー操作で簡単に着脱できる。ドライブ類の増設などはできないが、メモリや拡張カードスロットにアクセスする場合など、かなりぎっしりとパーツが詰め込まれているだけにこのレバーとレールを多用した筐体のデザインは便利だ。
5150Cと比較した9200Cの優位性となると、やはりCore2 Duoの採用ということになるだろう。パフォーマンスの向上だけでなく、動作音と発熱が抑えられたメリットも大きい。動作音に関してはアイドル時でも「動作している」ことがようやく分かる程度で、3D系の重いベンチマークを実行したときでもファンの回転数が上がっるなどの変化は感じない。Pentium 4やPentium D搭載PCに見られた「起動時は爆音」といった現象も見られないのは注目に値する。
5150Cのレビューで見られたシャシー全体が熱を帯びるといった傾向も見られない。コンパクトな筐体ゆえに静音性を突き詰めるというわけにはいかないと思うが、動作音も及第点でサイズとパフォーマンス、静音性能のいずれも満足させる非常にうまい設計がなされたPCといえる。ただし、これはあくまでも「Core2 Duo E6300」というCPUを組み込んだ評価機における状況であることはよく留意しておくべきだろう。
Vistaを待ちきれない人のためのスタイリッシュコンパクトPC
気になるパフォーマンスだがCore2 Duo E6300とRADEON 1300 Proの組み合わせでPCMark05が4742、3DMark05の標準設定(1024×768ドット、nonAA、Optimaise)で2547とミドルレンジPCとしては不満ない結果を出している。Webブラウジングにメール、オフィスアプリによる処理という日常的な用途はもちろんのこと、FFベンチの結果を見れば分かるように3Dゲームも最新の超ヘビーなタイトルでなければ楽しめる。
またミドルレンジPCを使うユーザーにはグラフィックスはオンボードで十分という場合も多い。参考までにチップセット内蔵のIntel GMA X3000を利用した場合のベンチマークも行なってみた。PCMark05ではやはりグラフィックス関連のスコアは大幅に低下するが、メインメモリをビデオメモリとして共有することで影響を受けそうな(メモリ帯域にシビアそうな)テスト項目「Video Compression」でもほとんどスコアに変化はない。スコアも3953を記録している。
Webブラウザを使ったりオフィススイートを利用したりする分にはRADEON X1300 Proを装着した状態と体感上の差はまったく感じない。さすがに3DMark05やFFベンチといった3Dグラフィックス系ベンチのスコアは苦しいが、3Dゲームをやらないなら問題ではないだろう。余談だがグラフィックスカードの取り外しは、ツールフリーの高いメンテナンス性のおかげで、ものの30秒で済んでいる。
ミドルレンジPCである9200Cは、そのパフォーマンスが突出することがないが、省スペース性に優れ、高いパフォーマンスに似合わず動作音や発熱がぐっと抑えられた。スタイリッシュなデザインとコンパクトなサイズ、高いメンテナンス性をもつ筐体の優秀性は5150Cでも高く評価されていることでも分かる。BTOでその構成を柔軟に変えられる9200Cであるが、ここは、とくにCPUにCore2 Duoを搭載する構成における「パフォーマンスと静音性能、省スペース性」の高いバランスを高く評価しておきたい。
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