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実売5万円を切るHDCP対応22インチワイド液晶――アイ・オー・データ機器「LCD-AD221XB」Xbox 360の接続もサポート(2/3 ページ)

アイ・オー・データ機器がこの春強力にプッシュするのが、実売5万円を切る1680×1050ドット表示の22インチワイド液晶ディスプレイ「LCD-AD221XB」だ。

1680×1050ドットの高解像度ながら文字やアイコンは大きめ

1680×1050ドット表示の22インチワイド液晶パネルはノングレア仕様。ドットピッチが大きめこともあって見やすい

 液晶パネルはノングレア仕様で、外光の映り込みが気になることはない。主なスペックは、輝度が300カンデラ/平方メートル、コントラスト比が800:1、応答速度が5ms、視野角が上下170度/左右178度となる。1680×1050ドット表示の22インチワイド液晶パネルはドットピッチが0.282ミリで、1280×1024ドット表示の17インチスクエア液晶パネル(0.263ミリ)より大きく、19インチスクエア液晶パネル(0.294ミリ)に近い。高解像度でもアイコンや細かい文字が大きめに表示されるので、デスクトップの視認性は良好だ。

 実際の表示品質については、価格を考慮すると、及第点と言える。輝度は蛍光灯下で映像コンテンツを再生しても暗いシーンが判別できる程度の明るさを確保している。ただし、最近増えつつある400~500カンデラ/平方メートル程度の高輝度を誇る製品と比べた場合、ピーク輝度の力強さは物足りない。輝度の調整幅は広くないが、最低値の設定ではかなり暗くすることが可能だ。文書作成時に画面がまぶしくて困ることはないだろう。応答速度はスペック通りといった印象で、通常は残像を感じないが、スクロールする映像などを再生すると少しだけ尾を引くような表示になる。

 発色数は約1677万色で、疑似フルカラーとなっている。したがって、RGB各色8ビットの液晶パネルではなく、RGB各色6ビット液晶パネルにFRC(Frame Rate Control)技術などを組み合わせて、フルカラーを再現しているようだ。階調性をチェックしてみると、カラーバランスは問題ないが、中間階調から黒にかけて目立たない程度のトーンジャンプが発生することがあった。白に近いごく薄いグレーではわずかに白飛びも見られるが、通常使うぶんには気にならない。

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 液晶パネルの駆動方式はTN方式を採用しているため、目視での視野角はスペックの値で同程度のVA方式やIPS方式と比べて見劣りする。TN方式の視野角改善技術は一昔前より着実に向上しているのだが、それでも22インチワイドという大画面をまかなうには少々厳しい。画面を上から見ると白飛び、下から見ると黒つぶれが発生し、左右から見ると全体に黄色が被ってくる。通常の使用時はあまり気にならないが、淡い色を広い面積で表示するようなケースでは、正面から見ても画面の上が薄暗く、下が白浮きしてムラっぽく見えてしまう。こうした視野角の特性はTN方式を用いた液晶ディスプレイ全般に当てはまる弱点だが、そのぶん安価というメリットがあると割り切って使いたい。

液晶パネルを正面、右斜め、上方向から見た写真。このような画面を表示しているぶんには、視野角の狭さはさほど目立たない
ごく薄いオレンジ色を全画面表示にして、液晶パネルを正面、右斜め、上方向から見た写真。このような表示では、視野角の狭さが気になるが、これでもTN方式にしては優秀な視野角特性と言える

付属ソフトで簡単に各種設定が可能、5種類の画質モードを装備

液晶パネル部の真下に操作ボタンが配置されている

 各種調整は本体の操作ボタンを使う方法と、付属ソフトウェアの「DisplayManager 2」「DisplayManager mini」を使う方法がある。本体の操作ボタンは、左からOSDメニュー起動/決定、マイナス、プラス、入力切り替え/画面自動調整、電源といった順に並ぶ。OSD非表示時にマイナスもしくはプラスのボタンを押すと、ダイレクトに音量を調整できる。

 調整可能な項目は、輝度、コントラスト、アナログ接続時の画像自動調整など、基本的なものをそろえている。色温度の設定は、sRGB、6500K、7200K、9300K、ユーザー(RGB個別調整)から選択可能だ。sRGBの表示モードとケルビン値での色温度選択が可能な点はありがたい。設定可能な輝度の最大値を下げることで消費電力を低減できるECOモードの搭載も便利だ。欲を言えば、ガンマの設定項目を追加してほしかったが、画質調整に関して一般的な用途で不満は感じないだろう。

 また、目的別の画質モードとして、写真、文字、標準、映画、TVの5種類を用意しているのは見逃せない。画質モードは操作ボタンからワンタッチで切り替えることができず、一度OSDのメニューに入って切り替える必要があるが、各モードは輝度やコントラスト、色温度を好みに応じて調整できるので重宝する。なお、画質モードはDisplayManager 2とDisplayManager miniからも変更できるので、こちらを使ったほうが手軽だろう。

MENUボタンを押すとOSDが起動する。画質モード(画面モード)は写真、文字、標準、映画、TVの5種類を用意(写真=左)。色温度の設定で「ユーザー」を選ぶと、RGB各色の個別調整が行える(写真=右)

 DisplayManager 2ではユーザーの好みの画質設定を登録できるほか、使用中のアプリケーションに応じて画質モードを自動で切り替えたり、一定時間使用しないと自動でECOモードに切り替える機能も持つ。初心者向けにDisplayManager 2の基本機能を分かりやすいインタフェースにまとめたDisplayManager miniも添付されている。これらのソフトウェアはディスプレイケーブルを使用してPCからディスプレイをコントロールできるVESAのDDC/CI(Display Data Channel Command Interface)規格に対応しているため、別途USBケーブルなどをつなぐことなく、PC上から操作できる。ちなみに、DisplayManager 2のWindows Vista対応版は3月下旬に公開される予定だ。

Windows上から各種調整が可能なDisplayManager 2(写真=左)。DisplayManager 2の基本機能をまとめて使いやすくしたDisplayManager mini(写真=右)

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