PDFで日本のモノ作りを支援します――アドビ「Acrobat 3D Version 8」(2/2 ページ)
アドビシステムズは、3次元CADデータの変換に対応したPDF作成ソフト「Acrobat 3D Version 8」日本語版を発表。製造業をメインターゲットにPDFのさらなる普及を目指す。
PDF事業は2000年から4倍以上に成長
都内で開催された製品発表会ではアドビシステムズの代表取締役社長ギャレット・イルグ氏が登壇。PDF関連事業の成長に関して、「何回かのイノベーションを経て2000年度から4倍以上に成長した。主要事業プラットフォーム別の売上げ比率では、PDFを含むナレッジワーカー向け事業が27%を占めるに至った。これはクリエイティブ市場向け事業に続く第2位の売上げだ」と堅調ぶりをアピールした。
Acrobat 3D Version 8の発売については、「アドビの最重要開拓市場である製造業に向けた製品。3D、写真、動画、音声に対応したPDFファイルによって、組織形態が変化していく中で多様化する知的財産をセキュアな状態で蓄積、共有し、生産性を向上させる新しいワークスタイルを実現する」としたうえで、「日本の製造業は生産性とグローバル化という2つの課題があるが、アドビはAcrobatのテクノロジーとサポートで、製造業を支援する環境を提供し続ける」と製造業へのこれまで以上のコミットを狙う。
製造業での導入事例としては、ルノー、三菱重工、シャープ、アドバンテストを挙げたほか、今後はディストリビューターやシステムインテグレーター、製造業に特化したリセラーなどパートナーとのエコシステムを強化していく計画だ。
続いて、Acrobat 3Dを導入した大日本印刷のサービス「CADVIZ REAL」のデモが実施された。CADVIZ REALは、CADデータを活用した3次元CG画像をベースに、さまざまなセールスプロモーションメディアへの展開を実現するコンテンツ制作サービスだ。
大日本印刷 情報コミュニケーション開発センター 研究開発第1部 部長の五味英隆氏は、CADVIZ REALの特徴を「実際の試作品を用意せずとも、設計用の3次元CADデータをもとに印刷品質の3次元CG画像制作が可能になる」と述べた。具体的には、製品販売までの効率化とコスト削減、製品に応じて最適なメディア(印刷物、動画、Webなどのインタラクティブなコンテンツなど)の提供、部門間での設計段階からの製品イメージ共有化、各国での品質および情報の均一化、といった効果があるという。
CADVIZ REALのサービスでAcrobat 3Dを使う利点については「印刷物では不可能なインタラクティブなマニュアルや資料が制作できるほか、3次元CGやアニメーションによって製品の理解を深めることができる。PDFはAdobe Readerで閲覧できるので、特別なプラグインなしで日本から海外に向けて配布が簡単に行える」と語った。
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