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“飛越”して“天瀑”──中国第2位PCメーカー「方正」ラインアップも面白い山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/2 ページ)

「中華PCといえばレノボ」と知られるようになったが、中国第2のPCメーカー「方正」もUMPCでツウなPCユーザーなら気になるところ。今回は方正PCのラインアップを紹介しよう。

レノボと似ているようでどこかが違う「方正」

中国家電量販店で設けられている「方正科技」製品コーナー

 方正科技(ファウンダー、英表記は「Founder」、略称「方正」)という中国のPCメーカーを知っているだろうか。ITmediaでもこの連載で方正PCのレビューを掲載しているし(こちらこちら)、アジアパシフィックといわれるエリアにおけるPC出荷ランキングでベスト5に入ったことを紹介しているが、日本では、まだまだ、知られていない。しかし、中国のPCメーカーとしてはレノボに並ぶ“老舗”である。

 方正はレノボに続く中国第2のPCメーカーの地位を占めている。統計によると、中国大陸の2007年第1四半期PC市場において、デスクトップPCでレノボ(市場シェア36.1%)に続く2位(同13.4%)となっている。ただ、ノートPCではシェアがだいぶ落ち、レノボ、HP、デル、ASUS、エイサー、ソニーに続く7位(同5.1%)に後退する。IDCが集計した、日本を除くアジア・パシフィック地域におけるPC出荷についての最新統計(2007年第1四半期)で、方正のランキングは、レノボ(同17.8%)、HP(同15.4%)、デル(同8.1%)、エイサー(同6.5%)に続く第5位(同5.6%)。ちなみに、方正のWebページにある企業紹介には「世界で第7位のPCメーカーである」と書かれている。

 中国の商習慣において、メーカー製PCやそのメーカーが作った周辺機器は「メーカーの専門店」で販売される。ちょうど、日本で「街の電気屋さん」がメーカーごとの系列店となっている家電業界のような感じといえば分かりやすい。レノボの製品がレノボ専門店で販売されるように、方正の製品も方正専門店で販売される。ただ、メーカーのシェアに比例するように、どの都市の電脳街でも、レノボ専門店より方正専門店の店舗数は少なくなる。

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 中華PCメーカー第2位の規模を誇る方正のPCラインアップもレノボに劣らず“多彩”である。デスクトップPCではコンシューマー向けの「卓越」「飛越」「天瀑」を、ビジネス向けの「商祺」「君逸」「尊越」「文祥」を、ノートPCでは「Founder S」「Founder T」「Founder A」「Founder R」シリーズをリリースしている。

こちらは方正のビジネス向けデスクトップPCの主力ラインアップ。左から「君逸」「尊越」「文祥」
方正のノートPCラインアップから「Founder A」「Founder R」、そしてUMPCの「Mininote」
これが方正の「ネットカフェ専用デスクトップPC」。方正はこの中国独自PC市場でトップシェアを誇る

 中国のPCメーカーにとって無視できないのが「ネットカフェ向けPC」であるが、方正もそのための専用PCをリリースしている。中国PC市場におけるネットカフェ向けPC出荷量は馬鹿にならない量があるが、その“ネットカフェPC市場”で最もシェアを獲得しているのが方正なのだ。

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