Macworld Expoの会場で驚いた3つのこと:今年は何が出る?(3/3 ページ)
「There's something in the air」――モスコーニセンターに掲げられたこのバナーは何を示唆しているのだろう。Macworld Expoの会場から、開幕直前の様子や飛び交うウワサをリポート。
今回のExpoで発表されるのは?
さて、一番気になるのは、今回のMacworld Expoで発表される新製品が何かという話題だ。インターネット上では、すでに昨年末からいくつかのウワサが話題になっている。その中でも特に大きな話題を3つ取り上げてみよう。
1つめは「MacBook touch」という製品のウワサだ。タッチパネル式でキーボードのないMac。黒い筐体に仮想キーボードを表示させて操作をする。最大の特徴は、iMacのような液晶内蔵型ドックに合体できることだ。このほかに合体型キーボードもあり、タブレットPCとしてもノートPCとしても、デスクトップPCとしても使えるというスグレモノだ。
この「合体」という発想が、アップルが1990年代に出していた、アップル史上最も軽いMac「PowerBook Duo」シリーズに通じるものがあり、「現実であって欲しい」という呼び声も高い。ちなみにこの画像を掲載したmailmanbaby氏は、MacRumorsの掲示板で、「あの画像は本物だ」と主張し、詳細な仕様についても触れている。
さて2番目のウワサは、MacBookの薄型モデルのウワサだ。先の画像は、非現実的という人たちには「こちらのほうが現実的」という理由でウケがいい。このモデルのトラックパッドが巨大なのは、以前にアップルがそういう特許を取ったからだ。
そして3番目が冒頭でも触れた「MacBook Air」だ。いずれのウワサでも共通しているのは、光学式ドライブを外付けにした超薄型軽量Macであるということ。
「MacBook touch」のことについて語り合っている掲示板を見ていると、13年間PC一筋だった人が、「iPhoneを触って気が変わり、Macが猛烈に欲しくなった」といったコメントも書いているが、米国ではiPod/iPhoneを呼び水に、そしてBoot Campが最後の一押しとなって、PC(Windows)からMacに切り替える人が急増している。
アップルの最高財務責任者、ピーター・オッペンハイマー氏は、最近のMacの人気を「もはやiPod人気の波及効果ではなく、Macそのものの人気に勢いがついた」と語っている。
2007年第4四半期のMacの売り上げは前年に比べて34%(40万台)の増加を記録した。これに対して、日本でのMacの人気は、ここ数年、伸びが悪かった。2007年第4四半期には14%増を記録したが、米国と比べると勢いで劣っている。
しかし、以前の四半期決算のときに、オッペンハイマー氏は「日本市場に対しても手は打ってある」と語っており、それが薄型Mac登場のウワサの後ろ支えになっている。
勢いづいているときに魅力のある新製品を打ち出す――これまでのアップルならばこのタイミングをうまくとらえそうではある。ただし、1つだけ懸念材料があるとすれば、いろいろとウワサが出過ぎてしまっていることだ。
もしこの中のウワサの1つが真実だとしたら、スティーブ・ジョブズ氏がへそを曲げて発表しない、あるいは発表のタイミングをずらすということもやりかねない(これは冗談ではない)。例えば以前、Power Mac G4 Cubeという新製品の発表時、グラフィックスカードメーカーの重役が同製品の情報を事前リークしてしまった。このことに腹を立てたジョブズは、製品発表の前日に、会場に展示予定だったすべてのPower Mac G4 Cubeのビデオカードを替えたという事件もあったほどだ。
なお、Airといえば、アップル製品ではないが、Eye-Fi Cardも人気を集めそうだ。これはメモリ機能と無線LAN機能を併せ持ったSDメモリーカード型の製品で、デジカメに入れておき、あらかじめ登録した無線LANの環境に入ると自動的に写真をPCに転送し始めるというもの(さらに写真共有サービスに自動アップロードすることもできる)。昨年末に、筆者のブログで紹介したところ、日本でも大きな話題となった。
Macworldの開幕まであと少し。今年の基調講演ではどんなサプライズが飛び出すのか、いまからあれこれと予想してみるのも、もちろんMacworldの楽しみ方の1つだ。
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