レビュー

「SideWinder」復活の“本気度”を試すSideWinder Mouseレビュー(2/3 ページ)

一般的にゲーミングマウスは、高い性能や豊富な機能が“売り文句”として前面に出されるが、最も重要なのはやはり操作感だ。ほぼ7年ぶりの「SideWinder」を試してみた。

とんがったデザインの意外な合理性

 SideWinderの外見上の大きな特徴は、角ばった印象のあるやや無骨なデザインだろう。エルゴノミクスデザインが多いマウスにおいては特異なフォルムと言えるが、よくよく観察すると、その無骨さは直接の操作感には影響しない部分による印象が大きい。

 例えば左右ボタンの先端は、3ミリほど突起状に突き出しているが、この部分をクリックすることはほとんどない。また、左サイドの切り落としたような形状になっている部分には、進む/戻るボタンとマクロ記録ボタンがあるが、マクロ記録ボタンはそれほど多用するボタンではなく、操作性そのものには影響しない。

 操作性に関係するデザインのうち、最も気になるものは左側面に配置された進む/戻るボタンだろう。通常のマウスで前後に配置されることが多いこのボタンが、SideWinderでは円柱の形状で上下に並んでおり、そのサイズは指よりも小さいために、一見すると押しやすいようには思えない。しかし、実際に使ってみれば、これが理にかなった作りであることに気付く。

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 その理由は2つある。1つは、一般的なマウスのサイドボタンの配置では「戻るボタン」が押しやすい半面、「進むボタン」は決して押しやすくはなかったということだ。ほとんどの場合、手前が「戻る」、奥側が「進む」になっており、自然なフォームで親指があたる位置には「戻る」ボタンが割り当てられている。そのため、「進む」ボタンをクリックするには親指をやや伸ばさなくてはならない。マウスをホールドしている指のうち、唯一左側からサポートする親指のポジションを動かすのは、支持点を変化させることにもなるため、一瞬マウスから手を離すような感覚がある。

 それに対して、SideWinderの(サイドボタンの)上下配置は、親指が動く範囲を考えると自然なレイアウトと言える。実際にマウスを持った状態で親指を前後に動かすのと、上下に動かすのを試してみれば、どちらがより自然な動きになるかすぐに分かるはずだ。ただし、ボタンを上下に配置した場合には、確保できる面積が狭い(マウス本体の奥行きよりも高さのほうが短い)という問題がある。

 これを解決しているのが小さな円柱状のボタンだ。片方のボタンの上に指をのせている場合でも、もう一方のボタンが指の端にかかっていることが多く、両方のボタンの存在を意識することができるのだ。つまり「いま指をのせているボタンがどちらのボタンか」を、目視せず直感的かつ確実に知ることができる。円柱のボタンは連続クリックに向いた形状ではないものの、ゲームで連続クリックが必要になるのは左クリックボタンくらいだし、とくに問題にはならないだろう。

 ただし、手のひらとマウスの間にすき間を作ってホールドする「つまみ持ち」の場合は、サイドボタンが少し遠い、という印象を受けた。筆者の手は平均的な日本人のサイズだと思うが、手のひらをきちんとマウスに密着させないとちょっとだけ親指がサイドボタンに届かない。逆に、サイドボタンに親指をあわせたポジションをとると、薬指と小指がつまった感じになり、マウスを持ちあげるのが難しくなる。高DPIで利用するユーザーの場合は、マウスの“切り返し”は少ないと思うが、手首を固定しにくいのが難点だ。SideWinderはどちらかというと、手のひら全体で覆うように持つ「かぶせ持ち」の低DPIユーザーに向いているかもしれない。

 もう1つの特徴的なデザインはホイールだ。一般的に、マウスのホイールはラバー素材である場合がほとんどだが、SideWinderでは重厚なメタル製であり、転がしたときの感触はやや重たい。左右へのチルト機構は搭載しておらず、逆に言えばそれによって可能になった幅広のホイールでもある。このホイールの安定感は高く、ホイールボタンとして押下する際にも、わずかにスピンしてしまうことが少なかった。ことホイールに限って言えば、他製品の追従を許さないクオリティの高さだ。

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