エプソン、顔料ビビッドマゼンタインク搭載のA3ノビ対応プリンタ「PX-5600」:3年ぶりにモデルチェンジ
「PX-5600」はプロやハイアマチュア向けのA3ノビ対応インクジェットプリンタ。インクの一部や画作りの手法を変更し、印刷品質の向上を図っている。
エプソンは5月26日、プロフェッショナルやハイアマチュア層に向けた「プロセレクション」シリーズのA3ノビ対応インクジェットプリンタ「PX-5600」を発表した。2005年5月に発表された「PX-5500」の後継機で、6月5日の発売を予定している。価格はオープン、予想実売価格は8万円台後半だ。対応OSはWindows 2000/XP/Vista(XP/Vistaは64ビット版も対応)、Mac OS X 10.2以降(Mac OS 9.1~はUSB 1.1接続)。
PX-5600はPX-5500と同様、濃度の違う3種類のブラックインクでモノクロの階調性を重視した、顔料系のPX-P/K3インクを採用している。ただし、マゼンタとライトマゼンタのインクをそれぞれビビッドマゼンタとビビッドライトマゼンタのインクに変更することで、ブルーおよびバイオレット領域の色再現性を拡大した。
インクカートリッジは各色独立式を採用しており、マットブラック、フォトブラック、グレー、ライトグレー、シアン、ライトシアン、ビビッドマゼンタ、ビビッドライトマゼンタ、イエローの9個を装備する。フォトブラックは光沢系用紙、マットブラックはマット系用紙と、用紙の種類に合わせて2つのブラックインクを使い分けるため、同時に利用するのは8色のインクだ。
RGBの映像信号に対して、印刷時にどの色のインクをどのくらい使うのかを決定するルックアップテーブル(LUT)については、2008年2月上旬に発売されたPX-Gインク搭載の「PX-G5300」に引き続き、エプソンと米ロチェスター工科大学のマンセル研究所が共同で基礎開発した「LCCS」(Logial Color Conversion System)を採用している。
LCCSでは、色域、階調性、粒状性、光源依存性(カラーインコンスタンシー)といった印刷品質に関する要素を最適化できるように、数式アルゴリズムによってインクの組み合わせ数と打ち込み量を導き出す。この手法により、従来の職人的な感性に依存した感覚的な画作りと比較して、印刷品質に関する各要素が最適化できたという。
ノズル数は各色180ノズル、印刷最高解像度は5760×1440ドットに対応。MSDT(マルチ・サイズ・ドット・テクノロジー)により、インクドロップは3段階(最小3ピコリットル)に打ち分ける。印刷速度はL判フチなしの場合が約38秒、A3フチありの場合が約2分35秒だ。
機能面では、PX-5500で非搭載だったCD/DVDレーベルプリントやPictBridgeによるダイレクトプリントをサポートした。PC接続用のインタフェースは、USB 2.0を2基装備している。本体サイズは616(幅)×322(奥行き)×214(高さ)ミリ、重量は約12.2キロだ。
ソフトウェアは、プリンタドライバの改良により、余白の背景色を指定しての印刷、カラーサークルを使った色調整、各種設定情報の余白への印刷が可能になった。Adobe Photoshop Elements(Windows版は5.0、Mac版は4.0)をはじめ、各社のデジタル一眼レフカメラのRAWデータに対応した印刷ソフト「EPSON Easy Photo Print」、写真管理ソフト「EPSON File Manager」、CD/DVD印刷ソフト「EPSON Multi-PrintQuicker」が付属する。また、エプソンのWebサイトから無償でダウンロードできるPhotoshop用のプラグインソフト「Epson Print Plug-In for Photoshop」も利用できる。
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