16型ワイド液晶で鮮やかなフルHDを楽しむ──デル「Studio XPS 16」(2/2 ページ)
デルの新しいサブブランド「Studio XPS」で最初のノートPCとなるStudio XPS 13とStudio XPS 16が先日登場した。今回はAV志向の“16”に注目する。
余裕のピッチを確保したキーボード
Studio XPS 16に搭載されたキーボードは、一般的な台形タイプではなく、上面が広いキャラメルタイプのフラットキーとなっている。バックライトを内蔵しており、暗い部屋でキー入力をするときに便利だ。キーピッチは約19ミリ(実測)とフルキーボードに相当する。キーストロークも深く、Enterキーの大きさも自然で打ちやすい。
キーボード上部にはタッチセンサー式のマルチメディアボタンが配置されており、音楽の再生やスキップ、ボリュームコントロール、ディスクのイジェクトなどが行える。ただし、押した感覚がないため、そのあたりで戸惑うユーザーもいるだろう。
本体に搭載されたインタフェースは豊富で、HDMIをはじめとして、DisplayPort、アナログRGB出力、IEEE 1394、USB 2.0、eSATA、ExpressCard(/54、/34対応)スロット、8-in-1対応のメモリカードスロットなどが用意される。
最新ゲームもこなせる強力な処理能力
Studio XPS 16の特徴は、液晶ディスプレイの鮮やかさだけでない。Windows Vista環境でも快適に動作する処理能力の高さは、デスクトップPCと比べても見劣りしない。評価機にはBTOで選択できる最上位のCPUである、Core 2 Duo T9600(2.8GHz)が搭載され、メモリは4Gバイトを搭載していた。この構成でStudio XPS 16の性能を検証するべく、ベンチマークテストを行った。なお、BTOで選べるOSには、Windows Vista Ultimate(SP1)と同 Home Premium(SP1)がそれぞれ32ビット版と64ビット版が用意されている。4Gバイト以上のメモリを搭載するなら、当然64ビット版を選ぶべきだろうが、メモリを4Gバイト搭載した評価機に導入されていたのは32ビット版のUltimateであったため、後述するベンチマークテストの結果は約3Gバイトしか認識されない状態における測定値となる。
ベンチマークテスト項目 | Studio XPS 16 |
---|---|
PCMark05:PCMarks | 6670 |
PCMark05:CPU | 7081 |
PCMark05:Memory | 5689 |
PCMark05:Graphics | 7239 |
PCMark05:HDD | 5037 |
PCMark05:HDD-XP Startup | 8.5 |
PCMark05:Video Encoding | 635.6 |
PCMark05:Image Decompression | 38.7 |
PCMark05:WMV Video Playback | 34.8 |
3DMark06:3DMarks | 3817 |
FinalFantasy XI Official Benchmark 3:Low | 9353 |
FinalFantasy XI Official Benchmark 3:High | 6172 |
Enemy Territory Quake Wars:800X600ドット | 31 |
Enemy Territory Quake Wars:1024X768ドット | 21.2 |
Enemy Territory Quake Wars:1280X1024ドット | 15.5 |
Enemy Territory Quake Wars:1680X1060ドット | 12 |
Enemy Territory Quake Wars:1980X1080ドット | 10.5 |
PCMark05では総合値のPCMarksで6670というスコアをマークした。これはデスクトップPCでもかなり高い値だ。グラフィックス関連のベンチマークテストでも、3DMark06の総合値である3DMarksで3835を出している。さすがにミドルレンジ以上のグラフィックスカードを搭載したPCとは勝負にならないものの、バリュークラスのグラフィックスカードに相当するレベルだ。ゲームを利用したベンチマークテストでは「Enemy Territory Quake Wars」を使って測定しているが、その結果は1024×768ドットの解像度で21.2FPSとやや苦しい。
テスクトップPCに相当するベンチマークテストの結果を出したStudio XPS 16だが、その分、CPUの発熱はかなりのもので、ベンチマークテストを動作している状態では、冷却ファンがフル回転となる。うるさいというわけでもないのだが、静かな環境ではかなり気になるだろう。また、長時間使っているとタッチパッドがだいぶ暖かくなってくるのも気になった。
16型ワイドの液晶ディスプレイを搭載して重さが3キロに近いStudio XPS 16だが、それでも屋内で部屋から部屋へ移動は苦にならない。6セルのリチウムイオンバッテリーは3時間以上の駆動が可能だ。家庭で使うメインのノートPCとして、フルHDの再生にもゲームにも使える最適な製品といえるだろう。
関連キーワード
Dell Studio | Dell | ディスプレイ | BTO | ノートPC | Blu-ray | 顔検出AF | フルHD | Core 2 Duo | 認証 | DisplayPort | ExpressCard | HDMI
関連記事
かっこよくて高性能、しかも長持ち──デル「Studio XPS 13」
デルの新ブランド「Studio XPS」で一番小さなStudio XPS 13が登場した。Hybrid SLIが導入された性能と使い勝手をチェックしていこう。デル、スタンダードノート「Studio 15」をリニューアル
デルは、Intelプラットフォーム採用のノートPC「Studio 15」のリニューアルを発表した。Centrino 2に対応。“プチぜいたく”を味わえるミドルレンジノートPC――デル「Studio 15」
デルのコンシューマー向けPC「Studio」シリーズ。ミドルレンジに位置する新ブランドの実力を見ていく。デルが放つ“Puma”な「Studio 1536」を間近に見た
デルの個人向けPCで「Inspiron以上、XPS未満」というポジションに位置付けられる「Studio」シリーズ。そのAMDモデルの実力はいかに。デル、コンシューマー向け新ブランド「Studio」発表
デルは6月27日に、新しいコンシューマー向けノートPCのブランド「Studio」を立ち上げ、その第1弾となる「Studio 17」「Studio 15」「Studio 1536」を発表した。7月1日から販売を開始する。デル、高機能ゲーミングノート「XPS M1730」のBTOメニューを強化――Core 2 Extreme X9000などを追加
デルは、同社製ゲーミングノートPC「XPS M1730」のBTOメニュー強化を発表、新たにCore 2 Extreme X9000(2.8GHz)およびGeForce 8800M GTX/1Gバイトを追加した。オールインワンPC「XPS One」に地デジ対応モデルを追加――デル
デルは、20インチワイド液晶一体型のオールインワンデスクトップ「XPS One」に、地上デジタルチューナー/Blu-Rayドライブを標準装備したモデル「XPS One Blu-ray搭載 デジタルTVパッケージ」を発表した。高性能に高級感を加味した“XPSスタンダードノート”――「XPS M1530」の実力は?
デルが“究極のベストバランス”と語る15.4インチワイド液晶搭載ノートPC「XPS M1530」。年末に向けて国内PC市場の激戦区に投入した自信作だ。デル、15.4インチワイド液晶搭載のスリムノート「XPS M1530」
デルは、個人向けハイパフォーマンスPC「XPS」シリーズの新モデルとなる15.4インチワイド液晶搭載ノートPC「XPS M1530」を発表した。「XPS M1730」のオーバークロックパフォーマンスをチェックする
なぜか評価機のCPUがBTOにもないバリューモデルだったおかげで、お待たせしてしまったXPS M1730の真の実力を紹介。さらにオーバークロックの限界も探ってみた。デル史上、最も美しいPC――写真で見る「XPS One」
デルが新たに投入した一体型PC「XPS One」は、コンシューマー市場に注力する同社の“本気度”を否応なく感じさせるモデルだ。さっそくその美しい外観と中身を眺めてみよう。XPSノートのSLIパワーに驚く!──デル「XPS M1730」
前にもまして「ド派手」になったXPSのゲームノートPC。変わったのは見ためだけじゃない。グラフィックス性能もずいぶんとすごいことになっているのだ。“見ため”も“実力”も最強のモンスターな「XPS M1730」に迫る
デルが鳴り物入りで投入した“最強”ゲーミングノートPC「XPS M1730」。まずは奇抜なデザインをネットリ眺めてみた。最強のSLI対応ゲーミングノートPCで3GHzを突破――デル「XPS M1730」
Core 2 Extremeのオーバークロックが可能で、GeForce 8700M GTのSLIに対応、そしてBTOにはPhsyX物理演算カードやRAID構成が可能なSSDを用意する。価格も超弩級です。見た目も中身も“本気”のモバイルノート――デル「XPS M1330」を試す
デルの「XPS M1330」は、デザインとパフォーマンスの両面を追求したモバイルノートPC。モバイルPCであることを忘れるほど、Vistaが軽快に動作する。そのモバイルノートは絹のごとき滑らかさ――写真で見る「XPS M1330」
デルの個人向けハイエンドPCブランド「XPS」から、Santa Rosa世代のモバイルノートPC「XPS M1330」が登場。早速、実機を見回してみた。デル、個人向けブランドをInspiron/XPSに統合し全モデル一新──XPSの新モバイルPCも登場
デルが個人向けPCを一新し、Inspiron/XPSブランドに統合した。あわせて新たなモバイルPCも追加された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.