CULVでは物足りない──それなら、標準電圧版CPU+外部GPUの「HP Pavilion Notebook PC dm3i」はどう?(前編):それでも9万円台(2/3 ページ)
日本HPの「HP Pavilion Notebook PC dm3i」は13.3型ワイドの液晶ディスプレイと“メタル”なボディが特徴のノートPCだ。今回は“CULVでは物足りない!”と思うユーザーに向けた、9万円台の標準電圧版CPU+外部GPU搭載モデルを試した。
“カッチリ剛性感”のあるキーボード、19ミリピッチで“へこへこ感”は皆無
キーボードは、縦横ともに19ミリピッチで、1つ1つが独立した正方形(横15×縦15ミリ/キーストロークは実測で約1.7ミリ)のキーを採用する。スペースキーは横60×縦18ミリ、Enterキーは横20×縦35ミリで、ホームポジションに置いた左右の指で違和感なく操作できる。一方、BackSpaceキーは一般キーと同サイズで、少し小さめ。ローマ字入力スタイルでBackSpaceキーを多用する筆者は、それほど使わない「へ」「¥」キーなどの横サイズを縮め、もう少しBackSpaceキーの横サイズを広げてくれるとより操作性が高まると思ったが、こちらは好みの範囲と思われる。ともあれ、“カッチリとした剛性感”は大変好ましく、配列にも余裕があるため、打鍵感は合格点を与えられる。
キー配列で少し独特なのが、カーソルキーと上部のファンクションキーの仕様だ。左右カーソルキーは横14×縦15ミリと大きめだが、上下カーソルキーは横14×縦8.5ミリと、左右カーソルキーの約半分に縮められる。左右カーソルキーの操作性はホームポジションに置いた右手の小指で違和感なく、かつ問題なく操作できるが、より小さい上下カーソルキーを多用するユーザーは若干の慣れが必要と思われる。
ファンクションキーの機能割り当ては、よくあるPCのキーボード設定とは逆になっている。輝度調整や音量調整、スリープ、再生・曲送りなどの楽曲操作などが標準で、「F1」「F2」などの本来の機能はキーボード下段の「Fn」キーを押しながら操作する仕様だ。モバイルノートPCにおいては、輝度調整やスリープ移行などでFnキーとともに操作する機会が多いために合理的と思える一方、F2キーによるファイルネーム変更や、F7~F12のIME操作(カナ/英字変換など)を多用する人は操作が少し煩雑になることに注意したい(もちろん、この設定はBIOSセットアップで切り替えられる)。このほか、音声ミュートやNum Lock、Caps Lockの状態表示LEDをそれぞれのキーの近くに備え、有効時に点灯する仕組みとするのも独特だ。一見分かりにくいが、これはこれでシンプルで好ましい。
タッチパッドは2ボタン式で、センサー面は横85×40ミリと、余裕のあるパームレスト面と相まってこちらも大きめだ。アルプス製ドライバが導入され、2本指でスクロール、拡大/縮小、回転などが行えるマルチタッチジェスチャー操作や、センサーの周囲をなぞって操作する機能を用意する。センサーとボタン部は光沢のあるシルバーのメッキ調塗装が施されるが、“指の滑り具合”がどうも悪く、指紋の付着が目立ちやすいのは少々気になる。センサーのすぐ近くにタッチパッドのオン/オフスイッチを設け、マウス利用時はタッチパッド機能を無効にできる。
本体右側面には、無線LANのオン/オフスイッチとスライド式の電源スイッチが備わる。電源スイッチが視界にないために当初は電源オン/オフの操作に多少とまどうかもしれないが、これは慣れの範囲だ。電源スイッチのLED部にある突起を探し、指を手前に引くように操作するとよい。
HDMIや左右2つずつ備えるUSB 2.0など、インタフェースに不満なし
インタフェースは、本体左側面にDC入力、100BASE-TX対応の有線LAN、アナログRGB、HDMI出力(HDCP/音声同時出力対応)、USB 2.0×2、マルチメモリカードリーダー(SDHC対応SDメモリーカード/PRO対応メモリースティック/MMC/xDピクチャーカード。SDメモリーカード装着時は約2.5ミリ出っ張る)、イヤフォン/マイク入出力、右側面にケンジントンロックポート、排熱口、USB 2.0×2、プッシュ型無線LANオン/オフスイッチ、スライド型電源スイッチを設け、前面下部にALTEC LANSING+SRSサラウンド技術を盛り込むステレオスピーカーが備わる。
(※有線LANのスペック記述が誤っておりました。お詫びして訂正いたします)
13.3型ワイドのディスプレイと光学ドライブを内蔵しない1スピンドル機で、重量約1.9キロ(標準バッテリー装着時)となると、モバイルノートPCとしては少し重めではある。ただ、左右に2基ずつ、計4基備えるUSB 2.0やHDMI出力、かなりしっかり音が出る外部スピーカーなどをきちんと備え、Webサイトの閲覧やオフィスアプリケーションの利用といった普段の作業はもちろん、外付け光学ドライブの接続や大型テレビとともに使う映像再生、音楽エンコードやポータブルオーディオプレーヤーの活用など、エンターテインメント寄りの利用シーンもなかなか快適にこなせそうだ。
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