CULVでは物足りない──それなら、標準電圧版CPU+外部GPUの「HP Pavilion Notebook PC dm3i」はどう?(前編):それでも9万円台(1/3 ページ)
日本HPの「HP Pavilion Notebook PC dm3i」は13.3型ワイドの液晶ディスプレイと“メタル”なボディが特徴のノートPCだ。今回は“CULVでは物足りない!”と思うユーザーに向けた、9万円台の標準電圧版CPU+外部GPU搭載モデルを試した。
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標準電圧版Core 2 Duoと外付けGPUを搭載
日本ヒューレット・パッカード(以下、HP)の「HP Pavilion Notebook PC dm3i」(以下、dm3i)は、1366×768ドット表示に対応する13.3型ワイドの液晶ディスプレイを搭載し、薄型メタルボディが特徴の“高コストパフォーマンス”ノートPCシリーズだ。
2009年後半、Windows 7のリリースと相まって、コストパフォーマンスのよいCULV(コンシューマー向け超低電圧)版CPU搭載ノートPCが話題になっている。この、いわゆるCULVノートPCは、超低電圧版ながらもデュアルコアCPUなどを搭載し、「“普通”に使える」性能と5万円台から購入できる「安さ」を両立する特徴がある。
ただ、「普通」では物足りないのだ──そう考えるユーザーも多い。長時間駆動のバッテリーを軸にWebやオフィスアプリケーションといった普通の用途以外に、ハイビジョンクラスの映像再生や動画・音楽エンコードなど、“オフタイム”も満足するパフォーマンスを得るには物足りないシーンが出てくることもある。
今回は、直販サイト「HP Directplus」のみで販売するdm3iシリーズのうち、2.26GHzで駆動する「標準電圧版Core 2 Duo SP9300」(2.26GHz/FSB 1066MHz/2次キャッシュ6Mバイト)と外部GPU「GeForce G105M」(グラフィックスメモリ512Mバイト)を採用するハイパフォーマンスモデルを試す。価格は9万9750円(税込み)から。CULVノートPCと比べると数万円の価格差はあるものの、これは「パフォーマンス」の差だ──と納得できる実力を備えているかを検証しよう。
ちなみに、dm3シリーズはこのほかにCULV版Celeron SU2300(1.2GHz)とIntel GS45 Expressチップセット内蔵グラフィックスのIntel GMA 4500MHDを採用する、dm3iの“CULV版CPU搭載”ベーシックモデル(7万9800円から)と、店頭販売を行うAthlon Neo X2 L335(1.6GHz)+ATI RS780MNチップセットを採用するAMD Congoプラットフォームモデル「HP Pavilion Notebook PC dm3a」(想定実売価格は9万円前後)、それぞれOffice Personal 2007が付属するモデルも用意する。
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dm3iハイパフォーマンスモデルの基本スペックは前述のとおり、CPUにデュアルコアの標準電圧版Core 2 Duo SP9300とIntel GS45 Expressチップセットの組み合わせに、外部GPUとしてGeForce G105Mを採用し、よくあるCULVノートPC以上のパフォーマンス向上を図っている。ディスプレイは1366×768ドット表示に対応する13.3型ワイド(光沢パネル)で、2GバイトのDDR3 SDRAM(PC3-8500/204ピンSO-DIMMスロット×2本、最大8Gバイト)、320Gバイトの2.5インチHDD(7200rpm)、100BASE-TX対応の有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、Webカメラ、カタログ値で最大8時間駆動する6セルのリチウムイオンバッテリーを実装する。プリインストールOSは32ビット版のWindows 7 Home Premiumだ。
(※有線LANのスペック記述が誤っておりました。お詫びして訂正いたします)
ヘアライン加工された“メタル”ボディ、19ミリピッチの“ゆったりカッチリ”キーボード
まずは外観を見ていこう。ボディは、天面とパームレスト部にヘアライン加工を施した“メタル仕様”で、サラサラした手触りや、(非動作時に)ひんやりする感触などが非常に“金属ちっく”で心地よい。重量は約1.9キロとモバイルノートPCとしてはやや重いが、最薄部で約22ミリの薄型ボディとともに、かなり“カッチリ”した剛性感があるのは好印象だ。平面的で過度な装飾を施さないシンプルな印象とともに、周囲をなだらかに絞る意匠により、薄く見せる効果も施してある。本体サイズは326(幅)×230(奥行き)×22〜29(高さ)ミリで、裏面も含めて余計な凹凸がないためにバッグへの収納性も上々だ。
ロワーボディ(キーボード面)のふちは、銀メッキ調の光沢処理を施した樹脂素材のパーツで覆われる。金属のシルバー調ボディと合わせたものと思うが、ここは残念ながら(個人的には)若干の安っぽさを覚える。特に前面の角──使用者にとってかなり目につく場所にある、“樹脂素材のつなぎ目”がすこぶる醜いのは少々残念だ。
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