「なんだって7割」──Radeon HD 5570の微妙な立ち位置を考える:イマドキのイタモノ(1/2 ページ)
1週間前に登場した“5450”に続いて“5570”が発表された。上に“5670”がいるというギチギチの1万円以下級ラインアップで、このGPUに求められる役割とは?
“5670”と中身同じでクロックとメモリは控えめ
Radeon HD 5570の内部構成は、すでに登場しているワンランク上のRadeon HD 5670(開発コード名:Redwood)と同等だ。400基のストリームプロセッサを搭載し、コア動作クロックは650MHzになる。Radeon HD 5570とRadeon HD 5670の大きな違いは対応するグラフィックスメモリだ。メモリバス幅は128ビットで同等だが、Radeon HD 5670はGDDR5だったのに対してRadeon HD 5570はDDR3メモリを採用する。Radeon HD 5570はRadeon HD 5670よりコストを重視したことになる。
メモリクロックもRadeon HD 5670の1000MHzからRadeon HD 5570で900MHzとなるため、帯域幅も64Gbpsから28.8Gbpsと半分以下になった。ただ、動作クロックとメモリクロックが抑制されたためか、消費電力は最大も最少も減少した。最大消費電力で見ると、Radeon HD 5670の61ワットからRadeon HD 5570の42.7ワットと、約7割に抑えられている。
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GPU | Radeon HD 5970 | Radeon HD 5870 | Radeon HD 5850 | Radeon HD 5770 | Radeon HD 5750 | Radeon HD 5670 | Radeon HD 5570 | Radeon HD 5450 | Radeon HD 4670 |
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プロセスルール | 40ナノメートル | 40ナノメートル | 40ナノメートル | 40ナノメートル | 40ナノメートル | 40ナノメートル | 40ナノメートル | 40ナノメートル | 55ナノメートル |
構成トランジスタ数 | 43億個(21.5億×2) | 21.5億個 | 21.5億個 | 10.4億個 | 10.4億個 | 6億2700万個 | 6億2700万個 | 2億9200万個 | 5億1400万個 |
統合型シェーダユニット | 3200基(1600基×2) | 1600基 | 1440基 | 800基 | 720基 | 400基 | 400基 | 80基 | 320基 |
コアクロック | 725MHz | 850MHz | 725MHz | 850MHz | 700MHz | 775MHz | 650MHz | 650MHz | 750MHz |
グラフィックスメモリ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | DDR3 | DDR3/DDR2 | GDDR3 |
メモリバス幅 | 256ビット×2 | 256ビット | 256ビット | 128ビット | 128ビット | 128ビット | 128ビット | 64ビット | 128ビット |
メモリクロック | 1000MHz | 1200MHz | 1000MHz | 1200MHz | 1150MHz | 1000MHz | 900MHz | 800MHz | 1000MHz |
メモリ帯域幅 | 128Gバイト/秒×2 | 153.6Gバイト/秒 | 128.0Gバイト/秒 | 76.8Gバイト/秒 | 73.6Gバイト/秒 | 64Gバイト/秒 | 28.8Gバイト/秒 | 12.8Gバイト/秒 | 32Gバイト/秒 |
ROPs | 64基(32基×2) | 32基 | 32基 | 16基 | 16基 | 8基 | 8基 | 4基 | 8基 |
テクスチャユニット | 160基(80基×2) | 80基 | 72基 | 40基 | 40基 | 20基 | 20基 | 8基 | 32基 |
最大消費電力 | 294ワット | 188ワット | 170ワット | 108ワット | 86ワット | 61ワット | 42.7ワット | 19.1ワット | 59ワット |
アイドル時消費電力 | ~42ワット | 27ワット | 27ワット | 18ワット | 18ワット | 14ワット | 9.69ワット | 6.4ワット | NA |
ロープロファイルだけどファンはある
今回評価作業で用いたのはRadeon HD 5570を搭載したリファレンスカードだ。ロープロファイルサイズのカードにファンを内蔵したクーラーユニットを搭載する。外部電源コネクタはない。グラフィックスメモリは表側と裏側で4チップずつ、計8チップ搭載して容量は1Gバイトになる。搭載するメモリチップはSamsungの「K4W1G1646E-HC11」だ。
このチップの定格動作クロックは900MHzで、これはRadeon HD 5570の定格クロックに相当する。オーバークロックを想定した構成ではないといえる。メモリの動作電圧は1.5ボルトで、これはRadeon HD 5670搭載リファレンスカードが載せているHynixの「H5GQ1H24MFR」GDDR5メモリと同じだ。この両者でスペックシートにある消費電力が20ワットも異なるということは、コアの動作クロックとメモリクロックの違いが大きく影響していると考えられる。
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