何ができる? いや、それより速度は?──net.USB対応「ETG-DS/US」の実力検証(後編):“ワイヤレスTV&DVD”もOK(1/3 ページ)
手元のUSB機器を“LAN対応”に変えてしまうUSBデバイスサーバ「ETG-DS/US」。後編はHDDや光学ドライブ、データ通信端末などの“よくありがち”な機器で使えるかを検証する。
USB接続型のHDDが、簡易NASに早変わり
アイ・オー・データ機器の「ETG-DS/US」は、手元にあるUSB機器をLAN(および無線LAN)で利用できるようにし、PC利用者に“あ、意外に便利かも──”、“こんなことに使えないだろうか──”と、いろいろな利用シーンを創造させるPC周辺機器だ。
何ができるか、どう接続するのか、そしてプリンタやiPhone 3GSで使えるのかなどは「何ができる? いや、それより速度は?──net.USB対応「ETG-DS/US」の実力検証(前編)」をご覧いただくとして、後編は外付けHDDの転送速度がどう変わるかという検証とともに、このほかの機器の動作状況もいろいろ試してみよう。
USBメモリ──エレコム「MF-SU208GBU」
USBメモリはわざわざPCから離れた場所で使う機器でもないのだが、一応試そう。
結果は、もちろん「OK」。ただし転送速度はやや遅くなる。
PCにUSB 2.0で接続した時は、リードが17.74Mバイト/秒、ライトが8.737Mバイト/秒であったのにの対し、ETG-DS/US経由だと、リードが8.132Mバイト/秒、ライトが5.169Mバイト/秒と5割ほどのパフォーマンスとなった。
USB外付けHDD──アイ・オー・データ機器「HDCN-U1.0A」
さて、外付けHDDが実運用するに値するかを特に気にする人は多いだろう。
今までの機器と同様に、使えるか否かについては「大丈夫」だ。ただし、USBメモリ使用時と同様に転送速度がやや落ちる結果になった。一時的な利用だけで済むことが多いUSBメモリと違い、外付けHDDは常時使う機器のため、大きくパフォーマンスが低下するなら考えものだ。
検証環境における、USB 2.0でPCへ直接接続した通常利用時の参考値はリード22.50Mバイト/秒、ライト19.93Mバイト/秒だ。一方、1000BAST-T有線LAN+ETG-DS/US経由では、リード7.992Mバイト/秒、ライト5.086Mバイト/秒という結果になった。参考までに、NECアクセステクニカ「AtermWR8300N」と「AtermWL300NU-G」を用い、同時利用者のいない2.4GHz帯IEEE801.11n接続でもほぼ同様の速度だった。
さて、速度が半分以下となると、大容量のデジカメデータを吸い出したり、バックアップ用途で大量にファイルを転送する場合、そして高ビットレートの動画データを扱う場合などには多少気をつける必要がある。もっとも、検証においてはAVCHD対応デジタルビデオカメラで撮影したフルHDの動画データももちろん再生でき、合計数百Mバイト程度のファイルコピーなどのよくある使用範囲であれば……少し、いや、うーんやや遅いなと感じる程度といえるだろうか。速度が必要な場合は、適宜つなぎ替えながら運用するとよいだろう。
このほか、同時に使用できるのは1台だけなので、NASのように複数のPCでばりばり同時に使うシーンには向かないことも若干の注意が必要だ。
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