波打つボディが美しいデザイナーズミニノート――「Eee PC 1008KR」に見とれる:これは、いいものだ(1/3 ページ)
もはや、すっかりPC市場に定着したNetbook。基本性能に大差はないので、デザインの好みで選ぶ人も多いだろう。「Eee PC 1008KR」はこうした層を狙い打ちした1台だ。
Eee PC史上、最も洗練されたデザインか?
Eee PCのデザインもここまで来たか――ASUSTeK Computer(ASUS)が3月13日に発売した「Eee PC 1008KR」は、デザインにとことんこだわった10.1型ワイド液晶ディスプレイ搭載のNetbookだ。同社はこれまでも競合機種との差異化を図るべく、Netbookのデザイン改善にいち早く取り組んできたが、今回の1008KRは一味違う。世界的に著名なプロダクトデザイナーのカリム・ラシッド氏にデザインを依頼し、Eee PCシリーズをさらに洗練した外観に仕上げているのだ。
カリム・ラシッド氏は、近未来的な幾何学模様や曲線を生かしたデザイン、カラフルな色使いで知られているプロダクトデザイナー。家具や生活雑貨、ファッション、家電、文具、音楽など幅広い分野で活動し、日本でもイッセイミヤケやイデーなど、有名ブランドの製品をデザインしたことがある。多彩な製品を手がけているので、知らず知らずのうちに、インテリアショップなどで同氏のデザインに触れたことがある人もいると思う。
同氏による1008KRのデザインは実に独創的だ。ベースとなるボディデザインは既存の「Eee PC Seashell」シリーズだが、ボディの外側、つまり天面、底面、側面を格子状のパターンでくまなく覆うことで、従来機とはまったく異なる外観を手に入れている。側面のインタフェース類をカバーで覆い、そのカバーにも同じ格子状のパターンを刻むほどの徹底ぶりだ。
特筆すべきは格子状パターンの表面で、四角形の1つ1つに波をモチーフにした緩やかな凹凸が設けられ、見る角度や光の反射具合によって表情が変わる。昨今はインモールド成型や凝った塗装で表面に特別なデザインを施したNetbookも少なくないが、ボディ全体が細かな波を打っているような触感は他に類を見ない。デザインの好みは人それぞれだが、個人的に1008KRの外装はかなり気に入った。
ボディカラーは、マットコーヒーブラウンとグロッシーホットピンクの2色展開だ。単にカラーが違うだけでなく、ブラウンはマット調、ピンクはグロス調と表面の塗装も変えている。どちらも表面に指紋が付きにくいので、多少ラフに扱っても、美しい外観が保たれるのはうれしい。ボディの内側はブラックで統一されており、パームレストはしっとりした手触りで心地いいが、こちらは指紋が目立ちやすいのが少し気になる。
約1.1キロの軽量ボディ、バッテリーは標準で2つ付属
本体サイズは262(幅)×180(奥行き)×18~26.2(高さ)ミリ、重量は約1.1キロだ。実測での重量は約1.151キロとほぼ公称値通りだった。10型クラスの液晶ディスプレイを備えたNetbookとしては薄型軽量なので、バッグの中での収まりはよく、持ち運びしやすいだろう。
ユニークなのはバッテリーが2つ付属することだ。1008KRはリチウムポリマーバッテリー(10.95ボルト 2900mAh 31ワットアワー)をパームレストの下に収めており、バッテリー駆動時間は公称で約5時間をうたう。バッテリーは薄型で、重量は実測で約233グラムしかないので、持ち運びは苦にならない。
試しに、ASUSおなじみの省電力機能「Super Hybrid Engine」をデフォルトの「AUTO」(ディスプレイ輝度は最大)にセットし、BBench 1.01(海人氏・作)でバッテリー駆動時間のテストを実施したところ、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」の設定で3時間21分駆動した。このバッテリーが2つ添付されているので、外出先での長時間バッテリー駆動にもかなり対応できそうだ。
また、ACアダプタも小型軽量にまとまっており、突起部を除くサイズは35(幅)×85(奥行き)×26(高さ)ミリ、電源ケーブルも含めた重量は約211グラムで済む(いずれも実測値)。海外メーカーにありがちな3ピンの太い電源ケーブルではなく、細い2ピンのメガネケーブルを採用しているので、バッグの中でかさばることはない。
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