10万円級サーバで何ができる？──ThinkServer TS200vを手軽に使う（3/3 ページ）

ローカルストレージに近い使い勝手が期待できる

　サーバマシンとはいえ、バリュークラスのデスクトップPCに相当するスペックであるため、パフォーマンスの検証は難しい。デスクトップPCでおなじみのCrystalMark 2004R3を行った結果も、Core i5-650を搭載するデスクトップPCとほぼ変わらない。

　次に、Core i7-870（2.93GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.6GHz）をIntel P55 Expressチップセット搭載マザーボードに組み込み、Radeon HD 5790を組み合わせたPCをクライアントとして接続し、ThinkServer TS200vの共有フォルダをマウント（Z:ドライブ）した上で、その共有フォルダに対し、CrystalDiskMarkとファイルのコピーを行った（「Thecus N4200」のレビューで測定した条件と同じ）。ただ、クライアント側のシステムに搭載するネットワークコントローラはvPro／Intel AMTに対応しない8758DCであるため、ここではIntel AMT関連のテストは行っていない。

　CrystalDiskMarkの測定結果は、シーケンシャルリードがやや遅いことを除くと、ローカルに接続した7200rpmのHDD（C:ドライブ）に対して同じベンチマークテストを実行した値に近い。特別に高速ではないものの、ファイルサーバとしてローカルドライブに近い感覚で利用できることになる。ファイルコピーのテストでも同じ傾向が確認できた。

試用したTS200v（098118J）とクライアントPCとして接続したPCの構成
CPU	Core i5-650	Core i7-870
チップセット	Intel 3450	Intel P55 Express
メモリ	2GB PC3-10600 ECC UDIMM×1	4GB（2GB PC3-10600 DIMM×2）
HDD	WD2502ABYS-8×2（RAID 1）	ST3500418AS
グラフィックス	CPU内蔵	Radeon HD 5790
LAN	Intel 8758DM	Intel 8758DC（オンボード）
プリインストールOS	64ビット版 Windows Server 2008R2	32ビット版 Windows 7 Home Premium

ベンチマークテストの結果
CrystalMark 2004R3	Mark	126379
	ALU	396508
	FPU	38920
	MEM	23013
	HDD	12746
	GDI	8012
	D2D	1660
	OGL	2520
CrystalDiskMark ver.3.0	Seq. Read	51.38MB/s
データサイズ1000MB	512k Rnd Read	31.00MB/s
	4K Rnd Read	0.581MB/s
	4k QD 32 Read	0.988MB/s
	Seq Write	87.75MB/s
	512k Rnd Write	51.64MB/s
	4k Rnd Write	1.348MB/s
	4k QD 32 Write	1.350MB/s
ファイルコピー（サイズ452Mバイト）	C: To Target	7.0秒
	Target To C:	6.1秒
ファイルコピー（サイズ3.8７GB）	C: To Target	45.8秒
	Target To C:	54.1秒

「TS200v」は気軽に買えて手軽に使える

　ThinkServer TS200vは、運用管理や性能、およびコストの点で、一般的な企業向けデスクトップPCに近い感覚で使える一方で、遠隔管理（特にCore i5-650搭載モデルの場合）やECCメモリ、RAID 1によるデータ保護といったサーバに望まれる機能を盛り込んだ、小規模事業所、および、中堅企業の支社／支店設置用に適したサーバとなっている。静音性にも優れるため、オフィス内に設置しても、ファンのノイズで苦情が出ることもない。

　また、標準で1年間のオンサイトサービス（翌営業日対応修理サービス）が付与されており（モデルによっては3年）、サポートの点でも一般的なクライアントPCより手厚くなっている。有償アップグレードサービスであれば、オンサイトサービス期間を5年まで延長可能なほか、対応時間を24時間以内、さらには4時間以内（主に東名阪および福岡の都市部）に短縮することも可能だ。

　スタートアップ企業が初めて導入するサーバとして、あるいは、中堅企業が管理者のいない支社／支店に展開するサーバとして、導入のしやすさと、コストパフォーマンスの両立を実現したサーバといえるだろう。