私はAPUを愛しています!──拡大する“Fusion”と変わる“VISION”:COMPUTEX TAIPEI 2011(2/2 ページ)
AMDは、6月1日に台湾の台北市で行った説明会で、これから登場する予定の自社製品とVISIONブランドのリニューアルについて概要を明らかにした。
組み込み向け市場を狙うGシリーズ
組み込みシステム向けのGシリーズではファンレス設計を可能にするほか、企業向けシステムに相当する電力管理機能を実装する。パッケージサイズは2.75平方インチ(25.4平方ミリ)で4層基板を採用。生産コストと製品投入までの時間の抑制も重視する。利用するシステムには、シンクライアントシステムや、デジタルサイネージ、Single Board Computingシステムのほか、医療システムや軍用システムも想定している。
タブレットデバイスでの採用を想定するZシリーズはDirectX 11のサポート、HTML5のハードウェアアクセラレーションとAdobe Flash 10.2アクセラレーションの対応などストリーミングコンテンツの利用に重点を置いた機能が訴求されている。
Gシリーズ搭載のWindPadでパフォーマンスをチェック
なお、Jetwayの展示ブースでは、Gシリーズを搭載するITXマザーボード「NF81-T56N-LF」と組み込み向けシステムボード「NF35-T56N/T35-T40E」が公開されていたほか、MSIの展示ブースではZシリーズを採用するタブレットデバイス「WindPad 110W」が操作できる状態で展示されている。
N81-T56N-LFの説明資料によると、eOntario(Gシリーズ)はデュアルコアで動作クロックは1.6GHz。チップセットにはHudson E1を搭載する。5基のSerial ATA 6Gbpsを接続可能でRAID 0、1、5、10の構築が可能だ。システムメモリはDDR3 800~1066対応のシングルチャネルで最大8Gバイト。グラフィックスコアはDirectX 11に対応する。
MSIのWindPad 110Wは、本体サイズ、搭載する液晶ディスプレイ、本体搭載のインタフェースなどは、ほかのWindPadシリーズとほぼ同様。システムプロパティで確認したところ、AMD Z-01と記されたCPUの動作クロックは1GHzでシステムメモリは2Gバイト、OSは64ビット版のWindows 7 Professional Service Pack 1を導入する。
大きく変わるVISIONブランド
米AMD マーケティング担当上級副社長のナイジェル・ダッソー氏は、大きくリニューアルするVISIONブランドについて説明した。
従来のVISIONプランドでは、“このPCできること”を訴求することで、ユーザーが使う目的にあったPCを選びやすくする4段階のVISIONブランドを展開していたが、2011年では、先頭に「A8」「A6」「A4」「E2」と掲げた4段階に名称を変更する。なお、各段階で訴求する利用場面については従来と同じとしている。(記事掲載時、ダッソー氏の表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします)
関連記事
COMPUTEX TAIPEI 2011
PC関連ベンダーが、復活を期した新モデルを一気に投入! 新世代のチップセットにタブレットデバイス。2011年のCOMPUTEXも見逃せない!AMD、次世代CPUに対応する「AMD 9シリーズ」チップセット
AMDは、COMPUTEX TAIPEI 2011の開催に合わせて、チップセットの新モデル「AMD 9シリーズ」を発表した。同社の“次世代CPU”をサポートするAM3+に対応する。MSIブースで「X79」「第3世代」なマザーボードをチェックする
COMPUTEX TAIPEI 2011が「正式に」始まった! マザーボードでは「未発表」チップセットを搭載するサンプルが公開された。注目マザーをMSIブースでチェック。ASRockでしょうか? いいえ、ASUSです
「ゲーミングユーザーを最優先」とASUSが語るROGシリーズ最新モデルが多数登場した説明会で、ASUSらしからぬ変態……、違った“前衛的”モデルが出現した。2011年は28ナノ世代に注力、そして20ナノ世代へ――GLOBALFOUNDRIESの事業戦略
旧AMDの製造部門から分社したGLOBALFOUNDRIESは、台湾のTSMCやUMCに並ぶ、世界最大規模のファウンダリ企業。2011年以降、プロセスルールの微細化をどう進めるのか。その進化は第2段階──「AMD Asia Pacific Fusion Tech Day」
アジア太平洋州の関係者に向けてFusionの優位性を訴求するAMDのイベントで、Fusionが目指す将来の姿が示された。2011年のAMDは“APU”で総攻撃
AMDが2010年のFinancial Analyst Dayを開催した。金融アナリスト向けだが、最新ロードマップと“決意”を示す重要な機会。今回はどんな決意を示しただろうか?動く「Northern Islands」と「Llano」と「Zacate」で自慢する
AMDが台湾で行っているAMD TFE 2010では、“次世代”のGPUとAPUを実際に動かして、その性能を訴求した。競合の「3倍で半分」というLlanoの実力を垣間見る。AMD、「次世代GPU」搭載グラフィックスカードと「Llano」ウェハを公開
AMDが台湾で行っているイベントで、次世代GPU搭載グラフィックスカードを公開し、製品発表を10月22日に予定していることを明らかにした。Analyst Dayで分かった「Bulldozer」の強味
Nehalem、Westmereと世代更新が進むインテルに対し、AMDは「2011年」まで待ちの構え。その2011年に大きく変化する新世代CPUの概要が明らかになる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.