レビュー

実売価格“240万!”の「Eee PC 1015B」を買ってしまった日本じゃ買えない“Ontario”なEee PC(3/4 ページ)

ジャカルタの電脳ビルで見つけた超高額なEee PC。値札はなんと「Rp.2,400,000」! なお、現地通貨「インドネシアルピア」は約0.01円で計算してください。

HDMIで接続した大画面テレビでフルHDを再生するとすごいね

 ベンチマークテストで、PCとしてのパフォーマンスを測定すると、デュアルコアとはいえ、1GHzで動作するCPUとバリュークラスのグラフィックスコアを融合したAPUのC-50、そして、実装するメモリが1Gバイトと少ないことから、結果として出てくる値は、総じて高くない。ただ、その値とは別として、Windowsフォームの挙動はすばやく、Webベースで利用できるサービスやオンライン配信動画の再生もストレスなく利用できる。

ベンチマークテスト項目 Eee PC 1015B
PCMark7 PCMarks 559
lightweight 747
productivity 461
creativity 999
entertainment 497
computation 728
system_storage 1234
CrystalDiskMark3.0 1000M Seq 75.32
512K 24.78
4K 0.291
4K QD32 0.796
Seq 74.27
512K 35.38
4K 0.718
4K QD32 0.716
CINEBENCH R11.5 OpenGL 5.05
CPU 0.4
3DMark11 Entry 3DMarks E273
Graphics 254
Physics 432
Combined 228
モンスターハンターフロンティア オンライン ベンチマークテスト 1024×600ドット 649
The Last Remnant 1024×600ドット 14.08
ストリートファイターIV 1024×600ドット 7328

 Fusion APU 省電力モデルのC-50ということもあって、CPU性能はがまん、いや、納得した上で、グラフィックスの性能とビデオ関連の機能に期待したいEee PC 1015Bだ。デコード性能においては、本体に搭載するHDMIに大画面テレビを接続し、フルHD動画を再生するとそのメリットがよく分かる。CPU負荷率を20~30パーセントに抑えたまま、かつ、コマ落ちを起こすことなくきれいに再生できる。

 その一方で、エンコードやトランスコードでハードウェア支援を受けられる場面は限られる。トランスコードでGPUパワーを利用しようとしたとき、AMD VISION Engine Control Centerに付属する「AMD Video Transcoder」が最も手軽に利用できるユーティリティになる。しかし、利用できる入力ファイルフォーマットがWMVやAVI、MPEGに限られる(ユーザーがコーディックを導入していれば、そのフォーマットファイルも利用可能)ことと、グラフィックスコアによるハードウェア支援が有効になる処理が一部のトランスコードに限られることなど、そのメリットを受けられる機会は少ない。

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HDMIで大画面テレビに接続し、フルHD動画を再生してもCPU負荷率20~30パーセントでコマ落ちなく処理できる(写真=左。筆者撮影)。AMD VISION Engine Control Centerに付属する「AMD Video Transcoder」で、「Enable acceleration」をチェックするとGPUによるハードウェア支援が得られる、ということになっているが

 TDP9ワットの省電力APUだが、動画再生処理を行っていると底面の中央部から左側にかけて高くなる。また、雑音が多いオフィスでもスリット付近に内蔵するファンの風切音が高い音で聞こえてくる。ただ、発熱する部材を底面側に実装しているので、キーボードやパームレスト側の温度はほとんど変わらず、置いた手が不快にならない。なお、標準の6セルバッテリーは、容量が5200ミリアンペアアワーで、駆動時間は7.5時間とされている。

 ベンチマークテストBBench 1.01(海人氏・作)でバッテリー駆動時間を測定条件「60秒間隔でのWeb巡回」「10秒間隔でのキーストローク」「電源プランはバランス」「液晶ディスプレイ輝度は10レベル中5レベル」で測定したところ、バッテリー残量5%まで6時間29分という結果だった。

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