さすがカン&クリ! ブッ飛んでるね!──「GeForce GTX 680」で“Keplerの主張”を確かめる:イマドキのイタモノ(3/3 ページ)
NVIDIAが「Kepler」を採用した「GeForce GTX 680」を発表。「新世代アーキテクチャは、性能2倍で消費電力控えめ」というNVIDIAの主張は本当なのか?
ゲームタイトルでもRadeon HD 7970を上回る性能を出せだのか?
実施したベンチマークテストは、3DMark Vantageと3DMark 11、そして、主にTessellation処理性能の測定用にUnigine Heaven 3.0とTessMark 0.3.0を加え、ゲームタイトルを用いるベンチマークテストには、DirectX 11対応としてBattlefield 3、F1 2011、DirectX 10対応としてJust Cause 2を行った。また、消費電力の測定もワットチェッカーによるシステム全体の値として調べている。
3DMark Vantageは、Performance条件でP39459と、4万目前のスコアが出た。ただし、PhysXの効果を除くGraphics Scoreで見てみると、GeForce GTX 580に対しては大幅に向上しているが、Radeon HD 7970に対しては、若干上回る程度にとどまる。
3DMark 11は、3DMark VantageのようにPhysXを使っていないが、こちらは、Radeon HD 7970に対しても明確な差をつけている。そのほかの要素を除いたGraphics Scoreでも同様の傾向だ。Performance条件でのスコアはP9549と1万目前だ。
Tessellation性能では、Unigine Heaven 3.0もTessMark 0.3.0もGeForce GTX 680がトップスコアだ。特にTessMark 0.3.0は、Tessellationに関して、MapをSet 4(2048×2048ドット)に、TessellationをInsane(X64)という最も重い設定を適用したが、GeForce GTX 580やRadeon HD 7970と比べて、ほぼ倍のフレームレートを出している。
DirectX 11対応のゲームタイトルによるベンチマークテストでも、GeForce GTX 680のスコアは、ほかのGPUより高い。Battlefield 3は、キャンペーンの「THUNDER RUN」で、FRAPSを用いて計測したが、画質設定を「高」に設定し、解像度が2560×1440ドットという条件でも70fpsを上回り、1920×1080ドット条件では100fpsを超えた。Radeon HD 7970に対して10~30fpsほど高く、GeForce GTX 580に対しては約1.5倍ほど高いフレームレートになる。F1 2011も、2560×1440ドットで唯一80fps台を記録した。
システム全体で測定した消費電力は、GeForce GTX 580を搭載した構成に対してピーク時で35ワットほど低い値になっている。ただし、Radeon HD 7970に対しては15ワットほど高い。今回の比較に用いたGeForce GTX 580搭載グラフィックスカード、Radeon HD 7970搭載グラフィックスカードともオーバークロックモデルなので、純粋にGPUの省電力性能として比較的できないが、GeForce GTX 580(の最終進化型)に対しても、より低く抑えられていることは間違いなさそうだ。
アイドル時も消費電力でも、液晶ディスプレイを消灯しない設定では、ほかの2つのGPU搭載構成より10ワットほど低い。さすがに、Radeon HD 7970のディスプレイ消灯時の低さ(3ワット)には及ばないが、ディスプレイを消灯しないユーザーであれば、最も省電力なGPUとなる。
AMDを超える消費電力あたりのパフォーマンス
AMDとNVIDIAのGPUが、ともに28ナノメートルプロセスルールを導入した新アーキテクチャ採用モデルが登場した。GeForce GTX 680は、3D描画性能でRadeon HD 7970を上回る一方、これまでのGeForceシリーズが苦手としてきた消費電力でGeForce GTX 580より引き下げられた。いつもならAMDが有利になる「パフォーマンス/ワット」だが、GeForce GTX 680ではNVIDIAもこの評価軸でも負けていない。
実売価格に関しては、およそ6万円前後という予想が多い。Radeon HD 7970の発表当初と同程度の価格帯になるだろうか。Radeon HD 7970と同じTSMCの28ナノメートルプロセスルールを使うチップなので、GeForce GTX 680も最初のロットでは供給量がそれほど多くないという見方もある。最新のゲームタイトルを思う存分高画質で動作させたいユーザーには、購入候補の上位になるはずのGPUだけに、十分な数が店頭に並ぶことを期待したい。
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