「Haswellが動いた!」──“次世代”Ultrabookも集結したIDF基調講演:IDF 2012(1/2 ページ)
「Intel Developer Forum 2012」がスタートした。Windows 8発売直前、そして、2013年の「Haswell」投入に向けて、彼らが発信するメッセージとは?
Windows 8登場後も進化を続けるUltrabook
スマートフォンやタブレットデバイスを中心に、ARM搭載製品が急増しており、近い将来にはPCだけでなく、サーバへの進出も見込まれている。こうした中、「Intel Developer Forum 2012」(IDF 2012)初日となる9月11日(現地時間)の基調講演で、Intel Architecture Group(IAG)ジェネラルマネージャ 兼 エグゼクティブ上級副社長のダディ・パルムッター氏は、超低消費電力のAtomからHPCで利用するハイエンドのXeon Phiまで、あらゆる領域をカバーし、つねに進化を続けるIntelの力を訴求した。
そのIntelが最近注力する「Ultrabook」では、2011年の段階では「価格が高い」「選択肢が少ない」「製品が(機能的に)洗練されていない」といった理由でメインストリームになれなかったが、現行のIvy Bridge世代のCPUを搭載する「第2世代Ultrabook」では、Windows 8の登場も控えて多くの対応製品を予定している。そして、2013年には次のCoreプロセッサアーキテクチャとなる「Haswell」を搭載した製品を市場に投入することになる。
一方で、Windows 8がタッチ操作やスレートタイプのデバイス対応を訴求することもあって、第2世代のUltrabookでは、クラムシェルタイプだけでなく、ボディデザインや機構設計でも多くのバリエーションが登場する。ASUSの「Transformer」シリーズで普及したキーボード搭載ドッキングステーションを接続してクラムシェルタイプに、取り外して本体だけでスレートタイプとして利用するアイデアは、その典型的な例だ。
Intelが、これからのUltrabookで取り入れていこうとしているのが、「Natural Intuitive Computing」(自然で直感的なコンピューティング)と「NFC」(Near Field Communications)だ。前者は、いわゆるナチュラルユーザーインタフェースの一種で、キーボードやマウス以上に直感的な操作を志向する。現在は、タッチUIがその役割を果たしているが、パルムッター氏によれば、「タッチUIは終着点ではなく、むしろスタート地点だ」と、今後も新しいUIを模索することが重要としている。基調講演では、ほかにも音声入力とMicrosoftのKinectのようなモーションセンシングによる操作を紹介している。前者について、NuanceがDragon Assistantのβ版をUltrabook向けに提供することを表明しており、Ultrabookの入力手段として音声認識が一般的なものとなる可能性がある。
NFCについては、最近になってVisaやMasterCardといったクレジットカード会社との提携をIntelが発表しており、非接触ICカードを用いたオンライン決済にNFCを利用する実験を行っている。具体的には手持ちの非接触ICカード(MasterCardやPayPassなど)をUltrabookに搭載したNFCカードリーダにかざすと、カード情報から安全にオンラインショッピングを行う。シンプルだが、安全にトランザクションを通すためのセキュリティ技術が実装してていることを示している。
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