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「世界最速」をうたう外付けHDD――バッファロー「HD-GDU3」実力テストSSDに迫る性能で大容量(3/3 ページ)

1GバイトDRAMを内蔵し、転送速度を飛躍的に高めた外付けHDDがバッファローから登場。その“世界最速”という実力やいかに。

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最高のパフォーマンスを出すために

 ただ、USB 3.0であればこの転送速度が出るというわけではない。USB 3.0ポートを搭載する富士通の15.6型ノートPC「FMV LIFEBOOK AH77/E」(2011年秋冬モデル)でも同様のテストを行った。FMV LIFEBOOK AH77/Eの基本スペックは、CPUがSandy Bridge世代のCore i7-2670QM(2.2GHz/最大3.1GHz)、チップセットがIntel HM65 Express(Texas Instruments USB 3.0 XHCIホストコントローラー搭載)、メモリが8Gバイト(4Gバイト×2、PC3-10600)、ストレージが750GバイトHDD(5400rpm)、OSが64ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)だ。TurboPC EX2も導入している。

ファイルサイズ100Mバイトの結果(グラフ=左)と、ファイルサイズ1000Mバイトの結果(グラフ=右)。チップセットにUSB 3.0ネイティブサポートのIntel Z77 Expressを採用した「MDV-AGZ7130B-SH」よりも、Intel HM65 Express(+Texas Instruments USB 3.0 XHCIホストコントローラー)を用いた「LIFEBOOK AH77/E」の方が低速だった

 結果を見ると、全体的にFMV LIFEBOOK AH77/Eがやや低速だった。この理由は「チップセットによってデータ転送能力に差がある」(バッファロー)ためで、最高のパフォーマンスを発揮するには、Ivy Bridge世代のマザーボードを搭載したPCを使うことが条件という。Intel HM65 ExpressなどIntel 6シリーズのチップセットはUSB 3.0をネイティブサポートしていないことも理由に挙げられるだろう。FMV LIFEBOOK AH77/Eの場合、別途USBコントローラーを実装してUSB 3.0ポートを実現している。

 ちなみに第3世代Core iシリーズのCPUを載せたUltrabook「XPS 12」(チップセットはIntel QS77 Express)でも試してみたところ、Intel Z77 Express搭載のハイスペックなMDV-AGZ7130B-SHに比べてやや速度が落ちた。「Ivy Bridge世代のCPUでも、ノートPCのチップセットだと速度が落ちる可能性があるほか、マシンスペックに依存する面もある」(バッファロー)とのことだ。

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MDV-AGZ7130B-SHとXPS 12それぞれを使った場合の転送速度を比較した(ファイルサイズ100Mバイト、TurboPC EX2無効)。MDV-AGZ7130B-SH(画像=左)よりも、XPS 12(画像=右)はやや低速だ

従来モデルより3倍くらい高速、ということで全面を赤で塗ったモデルもあれば面白いと思った(写真はイメージです)

 同社のWeb直販サイト「バッファローダイレクト」におけるHD-GDU3シリーズの価格はそれぞれ1Tバイトモデルが1万4800円(税込み、以下同)、2Tバイトモデルが1万7800円、3Tバイトモデルが2万3800円となる。Amazon.co.jpでは3Tバイトモデルが2万180円(2013年3月15日現在)となっているなど、もう2000~3000円程度安く売られているショップもある。

 データの大きさによって1GバイトDRAMの効果は異なるものの、従来製品との速度差は歴然だ。システムドライブのバックアップを取ったり、大容量のデータを扱う場合は、この速度差がアドバンテージになるのは間違いない。

 HD-GDU3シリーズは、実速度こそ最近のハイスペックなSSDに劣るが、バイト単価で大きく勝る。これまで以上の速さと大容量をお手ごろ価格で両立した優良モデルだ。特に内蔵ストレージを増設できないPCやUltrabook向けに、とにかく高速な外付けHDDを探しているならば、魅力的な選択肢といえる。

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