Windows 8.1はMicrosoftの課題にどう挑むか:本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/2 ページ)
Microsoftの開発者会議「BUILD 2013」が始まる。注目はいよいよパブリックプレビュー版が配布となるWindows 8.1だ。このOSアップデートは、Windows 8が抱えるいくつかの課題への回答となる。
Windows 8.1は水と油をうまく融合できるか?
さて、このようにBUILD 2013が始まれば、Windows 8と8.1のさまざまな議論を呼び起こす話が出てくることは間違いない。昨年、Windows 8のリリース直後に開発・企画の責任者だったスティーブン・シノフスキー氏が突然退職となり、現任のジュリー・ラーソン=グリーンになってから日が浅いため、ドラスティックな変化はないと思われる。しかし、方向性の違いは見えるだろう。
Microsoftにとってもう1つの課題は、そうした方向性の修正や改良、ドラスティックな変化ではないアップデートであることを「どのように伝えるか」だ。
これまでWindowsは、大幅なアップデートのときだけバージョン番号を更新し、小さな改良やその時代ごとに合わせた小さな追加機能は、サービスパックで対応してきた。今回のWindows 8.1はそのサービスパックに相当するアップデートである。
MicrosoftはWindows 8でユーザーインタフェースやAPIといった基本ソフトの根幹部分に大きく手を入れた後、日常的な不具合修正とは別に、今回のWindows 8.1のような中規模のアップデートを繰り返す方針に転換している。つまり、過去のWindowsにおける「0.1アップデート」とは意味が異なるということだ。
パブリックプレビュー版をWindowsストア経由で配布すると発表している通り、このアップデートは「まったく新しいWindows」ではない。
従来のパーソナルコンピューティングにタッチパネルを加えることで、どんなアプリケーション環境を創出できるか。PCというインフラを出発点に、タブレットの領域にどう踏み出していくのかにチャレンジしたWindows、というコンセプトはそのままに、最初のバージョンに対する反省を込めたものになる。
果たして今回の改良で、どこまで水と油のようなタッチパネル操作とデスクトップ操作を融合させることができたのか。今回達成できなかったとしても、向かう方向が見えてくれば状況も変化するだろう。BUILD 2013の開催はもうすぐだ。
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