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「新しい体験に新しい形を」――ソニー「VAIO」秋冬モデル発表会2013年PC秋冬モデル

停滞するPC市場の活性化を目指して、ソニーはVAIOの2013年秋冬モデルで“新しい経験”を提案する新しいPCを投入する。「VAIO Fit」や「VAIO Tap 11」に注目。

 ソニーは10月8日、2013年PC秋冬モデルの新ラインアップを発表した。各製品の詳細はまとめ記事にゆずり、ここでは同日行われた発表会の様子をリポートしよう。

 製品発表会では、ソニーVAIO&Mobile事業本部の赤羽良介氏が登壇し、VAIOの目指す方向性を説明した。同氏はまず、モバイルデバイスにおける市場成長の見込みを示し、「インターネットは生活に欠かせないものになったが、タブレットやスマートフォンといった選択肢が増えたためにノートPC市場は縮小を続けている」と指摘。そうしたスマートフォンやタブレットの特徴である「いつでも使えること」「直感的なタッチ操作」「長時間のバッテリー駆動」の3点を評価したうえで、「これらの快適さに加えて、より創造的、生産的なことをパソコンで実現していくことがVAIOの目指すものだ」と説明した。

ソニーVAIO&Mobile事業本部本部長の赤羽良介氏(写真=左)。モバイルデバイス市場全体では伸びているが、その中でPCは停滞している(写真=右)
デスクトップPCやボリュームゾーンのホームノートPCは前年対比割れの傾向が続く。その一方で、モバイルは堅調に推移している(写真=左)。同社の調査では、PCの購入を検討するユーザーのうち1割近くがタブレット製品に流出しているという(画面=右)

 そのために現在注力しているのが、「撮る」「観る」「加工する」という一連の作業をより快適かつ創造性豊かに行える体験の提案という。赤羽氏は、同社が「VAIO Inspiration Stream」と呼ぶこれらの新しい体験には「新しい形が必要だ」と述べ、「VAIO Fit A」、「VAIO Tap 11」「VAO Tap 21」の3製品を紹介した。

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 VAIO Fit Aは、従来のクラムシェル型ノートPCとしての使い勝手を備えつつ、「キーボードモード」「ビューモード」「タブレットモード」の3つのスタイルを、ディスプレイが180度回転するマルチフリップ方式のヒンジで実現した新モデルだ。広視野角/広色域/高輝度をうたう「トリルミナスディスプレイ for mobile」を採用しつつ、指によるタッチ入力だけでなく、デジタイザスタイラスによるペン入力にも対応する(関連記事:3つのモードを切り替える画面回転型の新コンバーチブルノート――「VAIO Fit 13A/14A/15A」)。

 VAIO Tap 11は、9.9ミリ厚の薄型ボディに第4世代Coreを搭載した11.6型Windows 8タブレットで、磁力でディスプレイ面に吸着する専用ワイヤレスキーボードを付属し、タブレットとクラムシェルの使い勝手を両立したモデル。大画面液晶を搭載する液晶一体型PCのVAIO Tap 21は、従来モデルのフリースタイルスタンドを改良し、片手でスタンド位置を調整できるようになった(関連記事:第4世代Core搭載で“9.9ミリ厚”の11.6型Windows 8タブレット――「VAIO Tap 11」第4世代Core+21.5型フルHD液晶に進化したテーブルトップPC――「VAIO Tap 21」)。

 2013年秋冬モデルのラインアップでは「すべてのカテゴリでタブレットモードに対応する製品を投入し、ペンの拡大を広げ、新市場の創造を目指していく」とアピールした。

VAIO Fitは液晶部分が180度回転する機構を搭載。タブレットとして使えるほか、対面などでもさっと相手に画面を見せられるのが特徴
VAIO Tap 11は磁力で液晶ベゼルに吸着するワイヤレスキーボードを付属。精密なペン入力が可能なタブレットとしても利用できる
大画面液晶一体型PCのVAIO Tap 21は、スタンドの油圧ダンパーを再調整し、片手でスタンド位置を調整できるようになったのがポイント(従来はスタンド部分を片手で押さえ、もう片方の手でディスプレイ部の角度を変える必要があった)。テーブルのようにディスプレイを水平に倒して、複数の人で使えるのは従来通り
このほか、VAIO DuoシリーズやVAIO Proシリーズ、VAIO | rededitionもラインアップされている

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