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2013年のアキバを振り返る(前編)古田雄介のアキバPickUp!(3/3 ページ)

自作PC街としてのアキバの2013年を、7つのテーマに分けて振り返ろう。前編のテーマは「レベル違いの円安値上げ」「熱い展開のグラフィックスカード」「小石もなかったHaswellの覇道」だ。

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小石もなかったHaswellの覇道:主流の座をIvy Bridgeからスムーズに受け取る

 CPUとチップセットの主流は、5月まではIvy Bridge世代の「Core i-3000」と、6月以降はHaswellの「Core i-4000」と、きれいに切り替わっている。TSUKUMO eX.は年末に「1年を通して、LGA 115XタイプのCore iシリーズが揺るがないくらい鉄板でしたね。ハイエンド系のLGA2011やAMDのAPU『Aシリーズ』も一定の需要がありますが、主流どころは一択でした」と振り返る。

 Haswell世代のCore i7/i5と対応するZ87/H87/B85チップセット搭載マザーの販売解禁日は6月2日だった。6月1日の夜からドスパラ パーツ館とBUY MORE秋葉原本店、ZOA秋葉原本店の3店舗がシャッターを開き、2日0時の発売に向けた深夜イベントを実施。集まったユーザーはおよそ300人で、「100人集まれば上出来」(BUY MORE秋葉原本店)といった期待を大幅に上回る反響を呼んだ。

6月1日23時ごろのパーツショップ密集エリア。ショップの予想以上の人が集まった(写真=左)。売り場に並べられるHaswell世代のCore i7/i5(写真=中央)。深夜販売時のZOA秋葉原本店の価格表(写真=右)

 夏から秋にかけても、Haswell最上位の「Core i7-4770K」(発売時3万9000円前後)や2万円前後から3万円弱のZ87マザーが売れ筋の中心であり続けた。パソコンショップ・アークは「とくに波風立たずに、順調にバトンタッチされた感じです」と語る。

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 ただしエントリー構成の需要は、継続販売されたIvy Bridgeの下位CPUや対応するH77/B75マザーなどがしばらく担っていた。それも9月初旬にHaswell世代のCore i3シリーズ(1万4000円弱~1万7000円弱)や1万円弱の「Pentium G3430/G3420」、最エントリーの「H81」搭載マザーが出回るようになり、存在感を薄めていった。12月末に5000円弱の「Celeron G1820」が出回るようになり、今後はHaswell一色になると思われる。

 主流ではないものの、AMDのCPU/APUもいくつかのヒットを飛ばしている。なかでも重要なのがHaswell販売解禁の1週間後にデビューした、Richland世代のAPUだ。DDR3-2133に対応する最上位の「A10-6800K」(1万7500円前後)を筆頭に高速規格に対応するラインアップが多く、メモリの主流であるDDR3-1600を超えるスペックを求める動きを加速させている。

 下位モデルの「A10-6700」(1万7500円前後)も「TDPが(100ワットの6800Kと違って)65ワットなので、熱処理がシビアなmini-ITXケースにも組み込みやすく、安定した人気があります」(ソフマップ秋葉原リユース総合館)と評価されている。

MSIのゲーム向けZ87マザー「Z87-GD65 GAMING」(2万4000円前後)。Haswell対応マザーのなかでも各ショップで「予想以上の人気」と評価されていた(写真=左)。EVGA「Z87 STINGER」とASUSTeK「MAXIMUS VI IMPACT」。mini-ITXサイズのオーバークロック向けマザーが出回ったのもHaswell世代が最初だ。価格はともに3万円弱(写真=中央)。Richland世代のAPU価格表(写真=右)

 引き続き、後編では「奮闘するWindows 8.1」と「開拓を先導し続けるNUC」、「週末の華であり続けたSSD」、「街のプチ再編と新たな兆し」といったテーマで1年を振り返る。

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