Dell、堅牢2in1「Latitude 12 Rugged Extreme」を投入――個人向けPCやゲーミングPCの技術も吸収:米軍調達基準を超えたテストで「耐久性に自信」(2/2 ページ)
米Dellが過酷な環境での利用に向く新設計の堅牢ノートPCを2機種投入。日本での発表を控え、来日した担当者がその過剰なまでの耐久性をアピールした。
約2.5メートルからの落下にも耐えた堅牢ボディ
最大の特徴である堅牢ボディは、耐衝撃性の高いウルトラポリマーや剛性の高いマグネシウム合金を採用。圧縮ガスケットで内蔵パーツを密閉し、自然物質からのデータ保護にも配慮している。
耐久性の仕様については、米軍調達基準となる「MIL-STD-810G」、IP65の防水防塵、ANSI/ISA.12.12.01(クラス1、区分2、グループA、B、C、D)の危険区域での利用、MIL-STD-461Gによる電磁妨害(適合するACアダプタが必要)に準拠し、環境温度は動作時でマイナス29度から63度、非動作時でマイナス51度から71度に対応する。
MIL-STD-810Gのテストは、運搬時における約1.8メートル、約1.5メートル、約1.2メートルから78回の落下、作動時における90センチからの落下、風雨、風塵、風砂、振動、機能衝撃、湿度、塩水噴霧(オプションのゴム製RGBバックライトキーボード使用時)、高度、爆発性環境、日射、極端温度、熱衝撃、凍結、解凍、本番稼働までの戦略的スタンバイといった過酷な環境下を考慮した内容だ。
さらに約2.2メートルからの26回落下、約2.5メートルからの落下など、米軍調達基準より過酷なテストも第三者機関を通じて行い、これをクリアして製品化しているという。会場では、実際にムーア氏が2機種を動作させたまま胸の高さから落下させ、問題なく動作するデモも行われた。
液晶ディスプレイは厚手の手袋やドライバーなどの工具でタッチしたいという要望から、抵抗膜方式のタッチパネルを搭載。Latitude 12 Rugged Extremeは抵抗膜方式で10点マルチタッチに対応する。即座に画面をオフにできる「インスタント・ステルス」機能も持つ。この液晶ディスプレイについても、鉄製の小さなボールを約1.8メートルの高さから落下させて耐久性を確認したという。
さまざまな環境で利用できる柔軟な仕様、セキュリティ対策も
拡張性や接続性については、レガシーなRS-232シリアルポート(14型は2基)やPCカード(Type II)スロットをはじめ、2基のUSB 3.0、USB 2.0(14型は2基)、ExpressCard 54スロット、HDMI出力、アナログRGB出力、スマートカードリーダー、指紋認証センサー、ギガビットLAN、IEEE802.11acの無線LAN、Bluetooth 4.0、4G LTE、3G、A-GPSなど幅広く対応し、さまざまな環境で利用できる。各インタフェースは防水防塵の分厚いカバー付きだ。
基本スペックは、いずれもデュアルコアの第4世代Core i3/i5/i7、最大16Gバイトメモリ(DDR3L-1600)、128G/256G/512GバイトのmSATA SSD、256GバイトのmSATA SED SSDなどから選択できる。OSはWindows 7/8.1またはUbuntu 12.04だ。
Latitude 12 Rugged Extremeは1366×768ドット表示の11.6型ワイド液晶を搭載。GPUはCPU内蔵グラフィックス(Core i3/i5選択時はIntel HD Graphics 4400、Core i7選択時はIntel HD Graphics 5000)を利用する。プライバシーフィルター付きのフルHD対応インカメラ、LEDフラッシュ付きの800万画素リアカメラ、最大58ワットアワーの4セルバッテリー(約8.5時間駆動)なども用意する。本体サイズは311(幅)×219(奥行き)×39(高さ)ミリ、重量は約2.72キロから。11.6型モバイルPCとしてはヘビー級だ。
Latitude 14 Rugged Extremeは1366×768ドット表示の14型ワイド液晶を搭載。GeForce GT 720(グラフィックスメモリ2GバイトDDR3)やDVD±RWドライブを追加できる。バッテリーは最大65ワットアワーの6セルや最大97ワットアワーの9セルを選択可能だ(約14時間駆動)。本体サイズは356(幅)×247(奥行き)×52(高さ)ミリ、重量は約3.54キロから。持ち運びがしやすいよう、パームレストの手前に頑丈なハンドルが付いている。
また、法人向けPCのLatitudeシリーズで培ったセキュリティや管理系のソリューションもカバーし、vProやTPM 1.2、Dell独自のユーティリティなどにも対応する。ムーア氏は「世界最大規模の自動車メーカー2社がパイロットテストを行っているが、高度な堅牢性、管理性、信頼性を併せ持ち、グローバルで安定供給できるPCベンダーはDellしかいないとの高評価を得ている」と自信を見せる。
説明会後に今後の目標を聞いたところ、具体的な数字の言及はなかったが、「現在グローバルの堅牢PC市場でデルは2位のシェアだが、昨年からの伸び率は非常に高く、支持が高まっている。特にコンバーチブル型モデルはこの市場で新しい取り組みであり、他社に先行しているので、これを機にさらなる成長を見込んでいる。日本市場においても強い意志を持って取り組む」との答えが返ってきた。
関連記事
注目タブレット速攻レビュー:「Venue 11 Pro」――Core i5搭載でSurface Pro 2より安いWindowsタブレットを試す(ベンチマークテスト編)
デルの「Venue 11 Pro」は、幅広いCPUやオプションが選択でき、ビジネスからホームユースまで対応できる10.8型Windows 8.1タブレットだ。今回はCore i5搭載モデルの性能をチェックする外付けディスプレイもRetina化へ:「UP2414Q」――画質も価格も衝撃的な23.8型“4K”ディスプレイは買いか?
ここ数年でスマホやタブレット、ノートPCの高画素密度化は一気に進んだが、外付けの単体ディスプレイは画面サイズの大きさから対応が遅れてきた。しかし、デルが投入した「UP2414Q」ならば、約24型で4K対応の高精細表示を(しかもお手ごろ価格で)手に入れられる。注目PC速攻レビュー:「XPS 11」――カーボンボディと超高精細ディスプレイが魅力の11.6型“2in1”Ultrabookを徹底検証
携帯性に優れた11型クラスで、ノートPCとしてもタブレットとしても扱える2in1デバイスを探しているならば、デルの「XPS 11」は見逃せない新機種といえる。その実力をじっくりチェックした。デル、ゲーミングPC「ALIENWARE」の2014年春モデルを発表――“クアッドSSD”モデルも用意
デルは、同社製ゲーミングPC「ALIENWARE」シリーズのラインアップを刷新、2014年春モデル計5製品の販売を開始した。デル、駆動時間を約3時間も伸ばした“Haswell”採用の新「XPS 12」を発表
デルは、回転式タッチディスプレイを備えるUltrabook「XPS 12」の新モデルを発表。第4世代Coreプロセッサの搭載により大幅な省電力化を実現した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.