自作PCでビットコイン採掘を訴求するBIOSTAR:COMPUTEX TAIPEI 2014
地味ながらも長年にわたって日本市場で活動しているマザーボードベンダーのBIOSTAR。2014年にアピールするのはまったくもって実利的な利用目的だった。
これからの自作PCは金脈採掘マシンたれ!
CPU、マザーボード関係でCOMPUTEX TAIPEI 2014のキーワードとなっていたのは、(繰り返しで恐縮ながら)「ゲーミング」「オーバークロック」だった。
インテルの“Devil's Canyon”こと「Core i7-4790K」と「Pentium Processor Anniversary Edition」の発表で、自作PC関係者が一気にオーバークロックに指向しようとしている。ブースの展示や関係者向けの説明会でも、(もともとハイエンドモデルを訴求する傾向が強いが)ゲーミングPCとオーバークロック重視モデルの機能を訴求する内容が目立っていた。
だが、マザーボードベンダーのBIOSTARは、そういう動きとは関係ない、ある目的に特化したシステムをブース展示の主役にしていた。
その目的とは「BitCoin Mining」だ。そのまま訳すと「ビットコイン採掘」になるが、以前、PC USERで掲載したビットコインの解説記事によると、“採掘”というより、送金の承認証をいち早く見つけ出して指示書通りに送金手続きを行い送金手数料を得る「演算処理」のことを指す。ビットコインをより多く得るには、この演算処理を膨大に、かつ、ビットコインのシステム上“並列”に行うことが必要になる。
BIOSTARは、この並列演算処理に特化したPCパーツ(「BTC-24GH」)を出荷しているが、COMPUTEX TAIPEI 2014のブースでも、BIOSTARのマザーボード「Hi-Fi H81S2」に6枚のグラフィックスカードを連携して、ビットコイン採掘を行うシステムを紹介していた。BIOSTARは、6基のPCI Express拡張スロットを持つマザーボードを「Professional Bitcoin Mining Machine」シリーズとしてアピールしている。
ただし、専用ボードのBTC-24GHが1枚でRadeon HD 7970 30枚分の並列演算処理能力を発揮して実売価格が7万9800円(税込)となると、グラフィックスカードを6枚そろえるよりコストパフォーマンスは高いことになる。
いずれにしても、BIOSTARは、ビットコインというこれまでなじみが薄かった利用方法(ただ、日本でもこのような目的のためにPCを自作しているベテランユーザーが増えている)を訴求するPCパーツベンダーという、ユニークな立ち位置をCOMPUTEX TAIPEIで広くアピールしたといえるだろう。
正統派マザーボードももちろん投入
ビットコイン採掘が主役のBIOSTARブースだが、もちろん、Intel 9シリーズチップセットを搭載したマザーボードの新モデルも展示していた。「Hi-Fi Z97WE」は、従来のHi-Fiシリーズと同じく、サウンド再生品質を重視したシリーズで、Intel Z97 Expressチップセットを搭載する最新モデルとして登場する。
4基あるメモリスロットはオーバークロックでDDR3 2800まで設定可能。有線LANは2系統を用意し、サウンド関連は、デジタル信号伝送領域とアナログ信号伝送領域を分けるなど従来のHi-Fiシリーズと同じくBIOSTAR Hi-Fiテクノロジーを導入する。また、M.2インタフェースも実装している。
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