Windows 11新機能「Cloud Rebuild」の衝撃──加速するMSアカウントとクラウドへの強制移行:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
Windowsのクラウド化が止まらない。2026年後半に予定されているWindows 11の大型アップデート「26H2」にて、新たなリカバリオプション「Cloud Rebuild」が登場する。その裏で、これまでオプトインだった企業向け環境でもクラウドバックアップが“デフォルト”で有効化されるなどの動きがある。その流れを追った。
MicrosoftはWindowsの管理機構を、よりクラウド方面へとシフトさせようとしている。
これまでもMicrosoftアカウント(MSA)の“デフォルト化”をはじめ、企業などの組織に属していないユーザー(PC)は基本的にMSAへのログインを通じて利用可能になるよう、特にWindows 11以降は徹底されるようになっている。
初期セットアップ(OOBE:Out Of Box Experience)時点でMSAへのログインを要求されるため、それまでのように「ネットワーク接続のない状態でのセットアップ」は行えない。
次のステップとして、「バックアップ&リストア」の機能についてもクラウド利用を前提とし、クラウドにあらかじめ待避した情報を基に、“クラウド経由”でMSAにひも付いた必要な情報を引き出して以前の作業環境を再現する。
現在でもこのバックアップ機能は個人でWindows 11を利用するユーザーは“デフォルトで有効”となっているが、2026年後半にやってくる大型アップデート「26H2」では企業ユーザーにおいても“デフォルトで有効”となり、Entra IDまたはEntraハイブリッドIDを通じてクラウド経由での「バックアップ&リストア」が実行されることになる。
新たなリカバリオプション「Cloud Rebuild」
Microsoftが7月6日(現地時間)にWindows Insider PreviewのExperimental Channelに公開した「Build 26300.8772」の解説によれば、新たに「Cloud Rebuild」というオプションが追加されている。
解説ページに詳細があるが、「PCのリセット」とは異なり、別途USBメディアやカスタムのイメージファイル(ISO)を用意する必要がない。必要な情報はOSイメージからドライバ、Windows Storeアプリ、各種ファイルまで、全てクラウド経由でターゲットPCに適合したものがダウンロードされるため、PC本体のみで“クリーンインストール”が実行できる。
一般にクリーンインストールは、工場出荷時に戻して再セットアップするか、「PCのリセット」で既存のファイル情報を生かした状態、あるいはいったん削除して外部メディアから書き戻すことを前提にWindowsを初期状態に戻すことで行う。
バックアップした状態から“リストア”するだけであれば、バックアップツールなどを使って過去のイメージファイルに戻すことも可能だが、完全なクリーンインストールであればおそらくCloud Rebuildが最もシンプルで素早くPCを再構築できる。
Cloud Rebuildを実行するには、Windowsの設定画面から「システム」→「回復」で表示されるメニュー一覧でCloud Rebuildを選択する。有線LANの場合はそのまま、Wi-Fiの場合はWPA-Personalのネットワークを選択し、必要に応じてパスキーを入力する。
あとはWindows UpdateがターゲットとなるPCの情報を取得しつつ最適なドライバなどを選択してファイルのダウンロードを開始する。再起動が複数回あるが、完了まで電源を落とさない状態で待機していると、OOBEの初期セットアップ画面が開いてCloud Rebuildによるクリーンインストールが完了する。
先日の記事でも触れたが、今回Cloud Rebuildのテストが行われているのは「Build 26300.8772」で、すなわち2026年後半にやってくる26H2のPreviewビルドだ。つまり、26H2が有効化されたタイミングで実行可能な機能となる見込みだ。
現状はまだテスト段階だが、本稼働を開始したタイミングでは個人ユーザーのみならず企業ユーザーにも機能が拡大される見込みで、MicrosoftとしてCloud Rebuildを基本的な(PCの組織内での乗り換えやトラブルシューティングなどの)復旧手段としてプッシュしていく意向なのだろう。
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