レノボはなぜ「海の家」を始めたのか? 国内初公開のテーブルPCとともに見てきた:ビーチでタブレットの貸出も(3/3 ページ)
海水浴とタブレットを結びつける斬新な海の家「Lenovo House Beach Marche」がオープン。レノボ・ジャパンはなぜ海の家を始めたのか、実際に行って確かめてきた。
なぜ、レノボが「海の家」をオープンしたのか?
しかしなぜ、同社が海の家を開いたのか? 同社でコンシューマー事業を統括する留目真伸執行役員専務は、「レノボは“ミレニアム世代”と呼ぶ若いユーザー層にフォーカスし、若者が集まる場所へ積極的に出ていき、デジタルライフに触れてもらうことに注力している。これまではクラブイベントやスノーボードイベントのスポンサー、ダンス教育支援などの活動をしてきた。今回は夏なので、思い切って海でのデジタルライフ提案を行うことにした」と、その経緯を話す。
NEC レノボ・ジャパングループでは、主にコンシューマーの若年層をレノボ製品で、30代以上のファミリー層をNEC製品でカバーしていくという大まかなすみ分けがあるが、昨今は若年層にとってのIT機器といえばスマートフォンが主役であり、「スマホがあれば、それだけで十分」という声も聞く。
こうした状況を受けて留目氏は、「90年代に日本のIT活用力は世界トップクラスにあり、ケータイ文化やアキバ電気街の盛り上がりなど、デジタルライフ先進国だった。しかし、日本では多くのメーカーがうまくいかなくなり、トレンドが海外主導に移行する中で、日本人に合った製品も減ってしまい、世界的に見てIT活用力が20位くらいまで下がっている。タブレットの普及率だけを見ても、(米国では約37%あるが)日本では約18%程度と低く、これは危機的な状況だ」と警笛を鳴らす。
また国内では多くのPCベンダーがコンシューマー(個人)からコマーシャル(法人)へかじを切っているが、留目氏は「国内のコンシューマーは日本に合ったハードウェア、ソフトウェア、サービスを求めていることに変わりがないはずで、そのニーズに応えないのはおかしいのではないか」と、疑問を呈する。
現在、Lenovoは世界シェア1位のPCベンダーであり、NEC レノボ・ジャパングループとして日本シェア1位のPCベンダーでもある。レノボ・ジャパンはその使命感を持って、コンシューマーでのビジネスを推し進め、タブレットやPC、その他の製品によって、日本人に合ったデジタルライフを提供していくという。
最後に留目氏は「オリンピックが開催される2020年をめどに、日本のIT活用力を世界トップクラスに引き戻す。そのための貢献をしていきたい」と、そのビジョンを語った。同社のその熱意が、ターゲットとする若いユーザー層にどれくらい伝わるか、今後の動向が楽しみだ。
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