AKBまゆゆと「センター」を取っていく――エプソン、新カラリオのプリンタ戦略とは?:小さめ、A3、6色をアピール(2/2 ページ)
年末商戦に向けた家庭向けプリンタの発表が相次ぐ中、エプソンも「カラリオ」の新ラインアップを発表。人気モデルの使い勝手を向上しつつ、新コンセプトの小型プリンタでシェア1位を狙う。
コンパクトボディと染料6色インクで差異化
エプソン販売 取締役 販売推進本部長 鈴村文徳氏は、新製品の販売戦略を語った。2014年秋冬のカラリオシリーズは「生活に溶け込むコンパクトデザイン」「顧客のプリントニーズを実現」「スマホから簡単印刷」の3点を訴求する。
1つ目の「生活に溶け込むコンパクトデザイン」については、製品選びでプリンタのボディサイズを重視するユーザーが年々増加傾向にあり、それを受けて2013年にラインアップ全体でコンパクトデザインを採用したところ、各機種とも90%以上の顧客満足度が得られたという自社調査データを示し、競合他社に勝る点として強調した。
2つ目の「顧客のプリントニーズを実現」については、ユーザーがさまざまな利用シーンにおいて写真印刷を求めている背景から、以前より複合機に広く採用している「染料6色インク」に新しいロゴを付与し、改めて認知拡大を図る。個人向けの6色インク複合機は昨年同様、「ちいサメ」のキャラクターを用いて「ボディが小さめ! 6色インクで写真がきれいだ!」のキャッチフレーズで推していく。
また、2013年に手差しのA3印刷が可能な複合機「EP-976A3」を投入したところ、家庭で諦めていたA3印刷の需要を掘り起こし、A3/A3ノビ対応プリンタ市場が2011年から約2倍に伸長した調査結果を紹介した。2014年もその後継機であるEP-977A3について、昨年同様「エイさん」のキャラクターを用いて「ふだんはA4、ときどきA3! 6色インクで写真がきれいだ!」のキャッチフレーズで拡販する構えだ。
今回新たに投入した小型プリンタのPF-70では、生活を写真で彩る「スモールファンプリンター」という愛称を設けており、PCやスマホ、デジカメからの印刷に加えて、ラベル印刷やアルバム作り、写真のデコレーションも楽しみたいという20~40代の女性ユーザー層を新規顧客として狙う。
女性ユーザー層に合わせて、店頭のプリンタコーナーに加えて、デジカメやスマートフォン、文具/ラベルプリンタのコーナーなど、プリンタ売り場にあまり足を運ばない女性の方との接点を増やす展示に注力する。
A4ノビ対応フォトプリンタのSC-PX5VIIについては、ハイアマチュアの写真愛好家をターゲットに、リアルイベントで画質を体感できる機会を増やし、購買につなげていく。
3つ目の「スマホから簡単印刷」は前述の通り、スマートデバイス/クラウドサービスとの連携をアピール。専用アプリ「iPrint」ではiOS版/Android版のどちらも無線LAN接続時にSSID検索やセキュリティキーの入力が不要で簡単にセットアップできること、本体に無線LANプリントガイドブックを付属していることなど、初心者でも使いやすい工夫をしている。
鈴村氏は最後に2014年の年末商戦における国内販売目標シェアを掲げた。インクジェットプリンタ全体では50%以上、コンパクトプリンタでは70%以上、ハイアマチュア向け写真プリンタでは60%以上、フラットベッドスキャナでは50%以上、ビジネスインクジェットでは50%、ページプリンタでは15%以上のシェア獲得を目指す。
渡辺麻友さんとプリンタ市場のセンターへ
カラリオシリーズのCMキャラクターは、昨年の忽那汐里さんからAKB48の渡辺麻友さんにバトンタッチ。鈴村氏はAKB48の新曲でセンターを務める渡辺麻友さんの人選について、「年末商戦で(プリンタ市場の)センターポジションをしっかり取りたい」という決意を込めたという。
9月3日から放映される新テレビCMでは、渡辺麻友さんが、前述のエイさんとちいサメを引き連れて異色混成バンド「Rock Shock」を結成したという設定で、ライブのMC調に「6色インクで写真をキレイに」という製品コンセプトを紹介する。もちろん、Rock Shock(ロックショック)というバンド名は染料インクの「6色」とかけている。
渡辺麻友さんは、CMで着用しているロックテイストの衣装と髪型で発表会に登場。バンドメンバーのエイさん、ちいサメとともに、A3印刷、小さめボディ、スマホからの簡単印刷といったカラリオの特徴をアピールした。
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