アップルが森林を買い、ソーラーファームを建設する理由:林信行が語る「エシカルIT企業」という視点(2/2 ページ)
アップル直営店のリンゴロゴが「アースデイ」にあわせてグリーンに。同社の特設サイトでは環境への様々な取り組みが発表されている。林信行氏が解説。
このほか、有害物質や紛争鉱物(紛争地帯において採掘される鉱物資源)の使用を取りやめたりと、まさに部品からその作り方、パッケージング、そしてその上で提供されるサービスまで、どの角度から切り取っても地球に与えるインパクトの軽減に対する配慮が行われている。
GoogleやFacebookなど、インターネットビジネスの事業者では、データーセンターのサーバなどに供給するエネルギーを再生可能化すれば、比較的効率よくグリーン化ができるが、世界最大規模の製造業でありながら、これだけ多視点的かつ大規模で効果の大きい環境への取り組みをしている企業は、ほかには見つからないはずだ。
最近、ファッションやコスメの世界では、「エシカルファッション」、「エシカルジュエリー」、「エシカルコスメ」といった、消費者1人1人の側でイニシアチブを持ち、環境に良い商品の選択をすれば、結果として、それがより大きな地球規模での環境改善につながる、という動きが少しずつ広がりつつある。
アップルは、「この会社のIT製品を選ぶことで消費者も環境に貢献できる」という“エシカルIT企業”の急先鋒といってもいいかもしれない(「エシカルな製品」という意識が芽生えることで、逆にそうでない製品を買う人は、環境に対して無配慮であるという認識が広がり、それが将来、そうした製品を作る企業の環境への取り組みにも変化をもたらす可能性がある)。
消費者満足度調査で1位を獲得することの多い、美しいデザインと優れた使い心地で知られるアップル製品。その爆発的な売れ行きで、企業としての価値も石油会社などを差し置いて世界1位となっているが、その世界一成功している会社が、環境を汚し、エネルギーや自然資源を使いまくって今の座を維持しているのではなく、世界最高水準の環境への配慮と貢献をしながらその座を維持している、というのは人類にとっていいニュースかもしれない。
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