「Surface 3」を2週間使って分かったこと――Surface Pro 3/新MacBookとの違いは?:USモデル先行レビュー(3/5 ページ)
サンフランシスコに在住し、「Surface Pro 3」と「新しいMacBook」を使っているソフトウェアエンジニアの筆者が、いち早くUSモデルの「Surface 3」を入手。日本モデルの販売開始を前に、2週間ほど使ってみたレビューをお届けします。
Type Coverの実用性
筆者にとって、Surfaceの最大の魅力と言ってもいいのがこのType Coverです。
PCに詳しい人ほど、このカバーキーボードは簡易的キーボードという印象を受けるかもしれませんが、Surface 3のType Coverに至っては、通常のノートPCや外付けキーボードと比較しても遜色がないくらい打ちやすいです。
タイピングの打ちやすさは、人によってかなり好みが分かれるので、あくまでも一参考意見ではありますが、少なくとも筆者のPC環境の中では、
Surface 3 > Surface Pro 3 > 新しいMacBook > 15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル
という順番でキーボードが使いやすいと感じています。
何よりもType Coverが素晴らしいのは、まったく発熱しないことです。通常のクラムシェルノートPCでは、キーボードの下にバッテリー、あるいはCPUやGPUなどの発熱源が配置されているので、長時間使っていたり、PCの負荷が高くなってくると、キーボード表面まで熱が伝わってきてかなり不快になります。
その点、Type Coverは、本当にただのカバーでしかないので、外付けキーボードと同等に、本体の発熱とは関係なく安定して使うことができます。
また、Type Coverは、タブレット本体と接続する側を少しだけ折り畳んで若干チルト角度をつけることも可能です。これによりキーボードの角度を打ちやすく調整できるだけでなく、奥側が少し浮いて押下時の力をうまく吸収してくれるので、筆者のようにタイピングの力が強くなりがちな場合でも、長時間キーボードをたたいていて疲れづらいです。
基本的にType Coverの構造はSurface Pro 3とSurface 3で同じなので、打ち心地も似ているのですが、多分サイズが12型から10.8型に小さくなったことで、Type Coverのたわみがより抑えられて剛性感が適度に上がったためか、Surface 3のType Coverのほうがわずかに打ちやすくなっている気がします。
また、Fnキーがロック可能になったのもSurface Pro 3からの進化です。最近のノートPCではファンクションキーエリアに液晶ディスプレイの輝度やボリューム調整などのコントロール機能を配置してFnキーで通常のファンクションキーとの動作を切り替えるのが一般的ですが、Surface 3のType CoverはこのFnキーがロックできるようになっていて、Fnを単押しすることで動作モードを切り替えることができます。
従来はメディアコントロールかファンクションキーかどちらかをメイン操作に設定して、他方の動作をFnキーを押しながら呼び出していたのですが、トグルで動作を切り替えられるのは地味ながら大きな改善となっています。
これはSurface Pro 3にはなかった機能なので、Microsoftは着実にType Coverも進化させているのかもしれません。
iPad並みのバッテリー駆動性能
サイズ感とともにもう1つSurface 3で気に入っているのがバッテリー駆動性能です。
前述した通り、Surface 3はタブレット向きのAtomプロセッサを搭載しているので、パフォーマンスは若干劣りますが、その代わりバッテリー性能は明らかにノートPCとは違うレベルです。iPad並にバッテリーが持ちます(公称値は動画再生で約10時間)。
さらにACアダプタは汎用(はんよう)のMicro USB形状のコネクタを採用しているので、付属のACアダプタを持ち運ばなくても、通常のMicro USBケーブルやモバイルバッテリー経由での充電も可能です。
付属のACアダプタは5ボルト/2.5アンペアの出力をする高出力なACアダプタなので、通常のMicro USB経由では出力が足りなくて給電できないことがありますが、最近はiPad用などの2.1アンペア高出力タイプのモバイルバッテリーなどが充実しているので、これを使えば純正のACアダプタには及ばないものの、それに近い速度で充電できます。
ちなみにこの標準のACアダプタはかなりよくできていて、通常のMicro USBケーブルだと、ケーブルの抜き差しが若干面倒だったりするのですが、Surface 3のACアダプタの場合は、USB端子部分がボックス形状になっていて、軽い力で抜き差しできるように工夫されています。さらにはLEDライトによる給電状況の確認もできるので、Micro USBの欠点をうまく補っています。
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