レビュー

わずか1キロなのにマグネシウムリチウム&カーボンで頑丈な「HP EliteBook Folio 1020 G1 Special Edition」徹底チェック(後編)薄型軽量金属ボディで気になる表面温度は?(1/2 ページ)

12.5型2560×1440ピクセル表示ディスプレイにCore Mを搭載したファンレス1キロのノートPCが登場した。その“Special Edition”な使い心地と処理能力に迫る。

ココが「○」
・高級感のある重さ1キロの堅牢ボディ
・タイプしやすいキーボード
・見やすい非光沢“2540×1440”ディスプレイ
・Core Mで静かな動作音を実現
ココが「×」
・スピーカー音質がいまひとつ
・パフォーマンスは控えめ

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の「HP EliteBook Folio 1020 G1 Special Edition」(以下、Folio 1020 SE)は、Core MシリーズのCPUを搭載してボディの厚さが15.7ミリ、重さが約1キロと薄く軽いボディながら、天板とパームレスト面にマグネシウムリチウムイオン合金を、底面にカーボンファイバーを採用することで、ボディ強度は、米軍調達基準「MIL-STD-810G」で規定している各種テスト(76センチ26方向落下、振動、衝撃、粉じん、高湿度、高温、低温、温度変化の各種耐久試験)をクリアする“タフ”で“軽量”なノートPCだ。

天板とパームレスト面にマグネシウムリチウムイオン合金を採用した「HP EliteBook Folio 1020 G1 Special Edition」

 その薄くて堅牢なボディと質感、そして、本体に搭載するインタフェースとオプションで用意するドッキングステーションについて前編で紹介したが、今回は、キーボードとディスプレイの使い心地とともに、処理能力とバッテリー駆動時間、そして、薄型ボディで気になる表面温度の検証を行っている。

 評価する機材の主なシステム構成は、12.5型で解像度2560×1440ピクセルのディスプレイを搭載して、CPUがCore M-5Y51(1.1GHz/最大2.6GHz、2コア4スレッド、3次キャッシュ4Mバイト、TDP 4.5ワット)、システムメモリがLPDDR3 8Gバイトで、データストレージは256GバイトのM.2対応(接続はSerial ATA 6Gbps)SSDを内蔵する。無線接続はIEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANとBluetooth 4.0を利用できる。評価機はOSに32ビット版 Windows 7 Professionalを導入していた。

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IPSで非光沢なディスプレイとカッチリ打てるキーボード

 12.5型ワイド液晶ディスプレイの解像度は2560×1440ピクセルとこのサイズとしては高い。画素密度は約235ppiに達する。ハードウェア情報ツール「HWiNFO32」によると、評価機にはシャープの「SHP142F」を搭載していることが確認できた。低反射パネルと視野角の広いIPS方式を採用し、最大輝度は340カンデラ/平方メートルと明るい。

 実際に照度計(Zhangzhou WeiHua Electronicsの「LX-1010B」)で画面中央部の明るさを計測したところ、輝度100%設定の全画面白表示で、334ルクスとなった(液晶ディスプレイの輝度仕様で使われるカンデラ/平方メートルやnitの値ではない点に注意)。晴天の屋外ではまだ見づらいが、明るい室内では十分な明るさを得ることができる。

12.5型ディスプレイの解像度は2560×1440ピクセル。液晶駆動はIPS方式を採用する
ディスプレイの開放限界は実測で約125度だ(写真=左)。照度計で輝度100%設定におけるルクス値を計測する(写真=右)

 キーボードはアイソレーションタイプだ。キー配列はJIS標準準拠の87キー仕様になる。主要キーのピッチは実測で約17.8(横)×18.35(縦)ミリ、キーストロークは1.7ミリを確保している。わずかに横方向に狭いが、感覚的には気になるところではない。キーの剛性は極めて高く、スイッチの反発はやや強い。押下感も良好だ。また、LEDを組み込んでいるので暗所でのタイプも問題ない。

 キーボードの手前には、圧力感応機能付きのタッチパッド「HP ForcePad」(フォースパッド)がある。サイズは実測約93.8(横)×55.0(縦)ミリで感触もよく、操作性は悪くない。

主要キーのピッチは実測で約17.8(横)×18.35(縦)ミリ、キーストロークは1.7ミリを確保。タッチパッド圧力感応機能付きの「HP ForcePad」を搭載する

 独自のタッチパッドユーティリティ(ドライバはシナプティクス製)を導入しているので、クリックのしきい値を微調整できる。各種ジェスチャー機能にも対応する。具体的には、Windows 8.1のチャーム表示のほか、2本指での上下スクロール、回転、つまみズームなどだ。さらに、感圧機能を利用して、「1本の指でオブジェクトをクリックして保存、ドラッグする」フォースエンハストドラッグや「スクロール中に指を押し下げる力を調整して速度を変える」フォースエンハストスクロールなど、便利な操作を利用できる。多少の慣れが必要だが、専用チュートリアルをインストールしているので、説明画面を見ながら習得可能だ。

慣れがいる“フォースエンハスト”系の操作方法もチュートリアルを用意して習得しやすい

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