プロセスノードに加えて新技術も売り込む! Intelが半導体の「受託生産」で使う“武器”【後編】(1/5 ページ)
Intelが半導体の受託生産(ファウンドリー)事業「Intel Foundry」を本格的に始動した。同社はプロセスノードだけでなく、新技術も合わせて売り込むという。
Intelが2月21日(米国太平洋時間)に開催した「Intel Foundry Direct Connect 2024」では、同社が半導体受託生産(ファウンドリー)事業「Intel Foundry」を本格的に始動することを宣言した。
創業以来、同社は基本的に自社でプロセッサの開発/設計から製造までを行う「垂直統合型」の半導体事業者だった。それだけに、次の2つの疑問が浮かんでくるのは自然なことだろう。
- なぜ、このタイミングで受託生産事業をスタートさせるのか?
- 半導体受託生産事業者としての“勝算”はどこにあると考えているのか?
この2つの疑問に関しては、既に下記の筆者の記事で解説した。
今回は、ここまでを踏まえた上で、Intel Foundryの今後のロードマップと、現在顧客企業が利用出来るIntel Foundryの最新製造プロセスの特徴などを紹介することにしたい。
Intelのプロセスノードの「ロードマップ」はどうなっている?
Intel Foundryで2024年から顧客が利用できるプロセスノードの中核は、以下の5つだ。
- Intel 7
- Intel 4
- Intel 3
- Inte 20A
- Intel 18A
中編でも触れたように、この5つのプロセスノードはIntelのパット・ゲルシンガーCEOが2021年2月の就任後に掲げた“当面の公約”に相当する「IDM 2.0」に盛り込まれていた「5N4Y(5 Nodes in 4 Years:5年以内に4つのノードを立ち上げる目標)」に含まれていた。この公約はほぼ達成できており、上記の5つのノードはIntel Foundryでも利用できることになっている。
プロセスノードの解説を担当した同社のステュアート・パン氏(ファウンドリーサービス担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー)によると、Intel Foundryが顧客に提供するプロセスノードは、「性能(Performance)」「電力効率(Power)」「面積の集積度(Area)」「製造コスト(Cost)」という半導体製造に関わる4つの評価軸に配慮したメニューになっていると説明する。
Intel Foundryでは、顧客がこの4つの評価軸から吟味した上で、最適なプロセスノードを選んでプロセッサ(半導体)を生産できるようにしているという。その観点から、先述の5つのノード以外にもさまざまなプロセスノードを取りそろえているとのことだ。
通常、新規のプロセッサ開発は工程の都合もあり、最短でも1年半〜2年は掛かる。そのため、ファウンドリーは短中期において利用できるプロセスノードのラインアップを事前に明かしておく必要がある。ゆえに、今回のイベントではプロセスノードの短期的なロードマップも公開された。
次節からは、上記のロードマップをざっくりと解説していく。説明の都合で、最下段の「Mature Node(成熟プロセス)」から見ていきたい。
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