Apple Musicはどうなる? 楽曲消滅問題とその後の対応:アップルPickUp!
定額制音楽配信サービスは盛り上がっていますが……。
2015年6月に米Appleが発表した定額制音楽配信サービス「Apple Music」。日本を含む世界100カ国以上でサービスを展開しており、ティム・クックCEOは4月、有料ユーザー数が1300万人を超えたことを発表しました。
一見順調な伸びを見せるApple Musicですが、ユーザーのライブラリにある楽曲が“消える”問題が度々報告されています。
米在住のJames Pinkstoneさんがブログに投稿したのは、音楽好きなら悲鳴を上げそうな事例でした。現地時間4日、Apple Musicを使用したところ122GB分の音楽ファイルが、自身のノートパソコンから勝手に削除されてしまったのです。
Apple Musicではユーザーが持つ楽曲と、Appleがクラウド上に持つ楽曲をマッチングします。合致しない曲はユーザーのiCloudミュージックライブラリにアップロードされ、合致した曲はApple Musicライブラリの曲に置き換えられる仕組みです。
しかし今回はライブ音源がスタジオ音源の曲になっていたり、オリジナル曲がカバー曲に変わったりするなど、マッチングシステムの不具合が原因となった模様。さらにAppleのサポートに問い合わせたところ、解決策が「Apple Musicを使わないこと」と返答があったことを明らかにしています。
ブログ記事を受けたAppleは現地時間13日、米メディアに対し、「我々はこの問題をまだ再現できていないが、来週にも追加の予防対策を含むiTunesにアップデートさせる。もしこの問題が起きたユーザーは、AppleCareに連絡してほしい」とコメント。
その予告通り、Appleは現地時間16日にこのバグを修正したiTunes 12.4をリリースしました。しかしアップデートによって楽曲消滅問題が改善されたかは不明で、ブログを書いたJames Pinkstone氏の反応も特にありません(17日18時現在)。なおデザイン面ではサイドバーが復活して常時表示され、メニューやライブラリをカスタマイズできるようになっています。
たびたび問題が報告されるApple Musicですが、定額制音楽配信サービスのSpotify幹部は、Apple Musicがサービスを開始したことで成長のペースが加速していると発言。Apple Musicが競争に加わることで音楽配信サービスの認知度が上がり、ユーザー数の伸びが加速しているといいます。
Apple Musicが音楽配信業界を盛り上げるきっかけなったにもかかわらず、Apple Musicに関連するニュースはバグの問題ばかり。このまま問題が解決されず信頼感を失えば、Apple Musicの立ち位置が今より厳しくなることは間違いありません。
6月13日~17日にサンフランシスコで開催されるAppleの開発者向けイベント「WWDC2016」では、Apple Musicの大幅なアップデートが発表される可能性が報じられました。シンプルなデザイン、タブの変更、歌詞表示のサポートなどがウワサされていますが、WWDCで楽曲消滅問題について言及されるのか、マッチングシステムの抜本的な改善が行われるのか、注目が集まります。
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