Microsoftがひっそり出版部門を終了:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
あまり関係ないかと思いきや、Microsoftにも出版不況のあおりか。
米Microsoftの出版部門および公式解説書の「Microsoft Press」をご存じだろうか。日本でもMicrosoft Pressにはお世話になったという技術者の方々が多いと思われるが、2016年7月29日のWindows 10無料アップグレード期限が迫る中、同社の出版部門はひっそりと閉じられた。
同件は米IT Unityが報じているが、既に縮小方向にあったMicrosoft Pressのスタッフが全て解雇され、技術系書籍として30年近い歴史を誇る同社出版部門は幕を下ろすことになったという。
出版不況が叫ばれて久しいが、筆者が初めて1990年代後半のアスキーで編集者生活をスタートしたころ、ドル箱部門だったMicrosoft Pressの出版権をどこが握るのかで激しい競争があったのを記憶している。ちなみに国内では2012年に日経BPがMicrosoft Pressの日本語翻訳書シリーズとPDF電子書籍版を発売しているが、ここ数年国内で目立ったトピックはない。
今回のスタッフ解雇と部門終了は採算性の悪化が理由とされるが、米ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏によれば、2009年に技術系出版社のO'Reilly Mediaと出版契約を結んだ後、なぜか2014年には大手出版社のPearsonとの契約に切り替え、現在に至っているという。
Pearsonでは関連書籍を継続していくとのことで、恐らく解雇されたスタッフも一部は同社へ移籍して出版事業を続けていくと考えられる。今後はPearson傘下でMicrosoft Pressブランドの書籍として、ビジネスがほそぼそと続いていくことになるだろう。
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