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古いスマホとNASで監視カメラシステムを構築する(2/3 ページ)

ASUSTOR NASは、NASとしての機能にとどまらず、家庭内で常時通電しているコンピューターとしてさまざまな目的に活用することができる。今回はASUSTOR NASとネットワークカメラやスマートフォンを利用し、監視カメラシステムを構築する方法を紹介する。

スマートフォンをネットワークカメラ代わりに

 ネットワークカメラを持っていない方でも、スマートフォンをネットワークカメラ化するアプリが利用できる。ここではAndroid用アプリ「RTSP Camera Server」を使った場合について説明する。

【重要な注意事項】

 RTSP Camera Serverは認証機能がなく、ネットワーク内に映像・音声が垂れ流しになる。盗撮カメラと化してしまわないよう、実際に運用する場合は認証機能を持つ同等のアプリを探す、撮影内容をよく吟味するなど十分注意してもらいたい。

 RTSPはReal Time Streaming Protocolの略で、ストリーミングを制御するためのプロトコル。実際の映像・音声データは一般にRTP(Realtime Transport Protocol)が使用される。RTSP Camera ServerはRTSPとRTPを使用するので「RTP over RTSP (TCP)」を選択すればよい。

 「新しいカメラの追加」画面にあるポートは設定画面にアクセスする場合のポートだが、RTSP Camera Serverでは利用できないのでそのままにしておく(空欄にはできない)。RTSPパスには「/camera」、RTSPポートは通常は554を使用するが、RTSP Camera Serverはデフォルトで「5554」を使用する(変更は可能)。使用されるカメラはRTSP Camera Serverで設定したものになるが、RTSPパスに「/front」を指定すればインカメラ、「/back」を指定すれば背面カメラが使用される。モデルに「Multiple RTP over RTSP (TCP)」を指定して、両方のカメラを個別チャネルとして設定することも可能だ。

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 「テスト」をクリックし、緑のチェックマークが出たらカメラが正常に接続できている。RTSP Camera Serverの場合、プレビュー画面は表示されないものの、ライブビュー、記録ともに正常にできるので問題はない。

RTSP Camera ServerはGoogle Playからインストール
起動したところ。左上の「Options」をタップして設定画面に入る
Video > Resolutionで解像度、Video > Frames per Secondでフレームレート、Video > Bitrateでビットレートを設定
スマートフォンのストレージに録画されないよう、RTSP Setup > Enable recordingはOFFにしておく
Surveillance Centerではブランド「User-Defined」、モデル「RTP over RTSP (TCP)」、IP/ホストはAndroid端末のIPアドレス、ポートはそのまま、RTSPパスに「/camera」、RTSPポートに5554を指定。RTSPパスに「/front」と入れればフロントカメラ、「/back」と入れれば背面カメラを指定することもできる
こちらはRaspberry Piを用いてRTSPをしゃべるネットワークカメラを作る例(https://random-notes-of-a-sysadmin.blogspot.jp/2015/05/howto-create-raspberry-pi-ip-camera.html)。Surveillence Centerから使えるかも?

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