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Kaby Lakeこと第7世代Coreプロセッサーを理解する高度に洗練された新世代CPU(3/3 ページ)

Intelから開発コードネーム「Kaby Lake」こと第7世代Coreプロセッサーの追加ラインアップが発表された。その概要とラインアップのポイントを解説する。

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チップセットもリニューアル

 第7世代Coreプロセッサーの投入に合わせて、新しい「Intel 200シリーズ」チップセットが投入された。

 チップセットレベルでサポートするPCI Express 3.0のレーンが増えたことに加えて、「Intel Optane Memory」がサポートされたことが主な進化点。Intel Optane Memoryは、IntelとMicronが共同開発したメモリ技術「3D XPoint Technology」を利用したストレージだ。製品はM.2形状で、ストレージと組み合わせるシステムアクセラレータとして提供される模様。OptaneとHDDを組み合わせることにより、SSD並のスピードとHDDの大容量を両立できるとしている。

Intel Z270 Expressのブロック図。先代のIntel Z170 Expressに比べてPCI Express 3.0は4レーン増えて24レーンとなった
「Intel Optane Memory Ready」がサポートされるのも新しい
システムに多大な負荷がかかるAVX2の実行時のCPU倍率(Turbo Boost倍率)をオフセットする仕組みが導入される

侮れない14nm+プロセスルールのポテンシャル

 最後に、Core i7-7700KとCore i7-6700Kのスペック比較を以下に掲載した。前述したように基本クロックは200MHz、Intel Turbo Boost Technology 2.0の最大クロックは300MHzの差なのだが、実は最大400MHzの差がある。

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 Intel Turbo Boost Technology 2.0では、アクティブコア(負荷がかかっているコア)の数で上限が決められているが、Core i7-6700Kは2~4コアアクティブ時は標準と同じ4GHzでしか動作せず、1コアアクティブ時、つまりシングルスレッド実行時のみしか最大の4.2GHzでしか動作しなかった。

 一方、Core i7-7700Kでは、2~4コアアクティブ時も最大の4.5GHzに迫る4.4GHzで動作するため、実質400MHzの差がある。4コアがフルに動作する状態での400MHz差というのはかなり大きい。これは14nm+プロセスルールの恩恵にほかならない。

 Intelの戦略がTICK TOCKから3ステージ制へと変更されたことは、成長の鈍化といったイメージで見られがちだが、筆者はそうは思わない。微細化だけがすべてではなくなったプロセス技術の実情からいえば、プロセッサーの開発サイクルにおいてこうした最適化ステージは必須であったともいえる。新鮮味こそないが、そのぶん技術的に高度に洗練されており、得られる実益は大きいはずだ。

スペック比較 Core i7-7700K Core i7-6700K
コア/スレッド 4/8 4/8
基本クロック 4.2GHz 4GHz
4Cアクティブ時最大クロック 4.4GHz 4GHz
2Cアクティブ時最大クロック 4.4GHz 4GHz
1Cアクティブ時最大クロック 4.5GHz 4.2GHz
内蔵GPU Intel HD Graphics 630 Intel HD Graphics 530
内蔵GPUクロック 350~1150MHz 350~1150MHz
EU数 24 24
キャッシュ 8MB 8MB
対応メモリ DDR4-2400、DDR3L-1600 DDR4-2133、DDR3L-1600
TDP 91W 91W
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