レビュー

モバイルユーザー待望! ファンレス&LTEの「Surface Pro LTE Advanced」を試す(2/3 ページ)

Cat.9対応モデムを内蔵し最大450Mbpsのモバイル通信が行える「Surface Pro LTE Advanced」はデタッチャブル2in1の決定版か?

第7世代のCore i5プロセッサーをファンレスで運用

 第5世代のSurface Proは、Core i7、Core i5、Core m3と3種類のCPUを搭載したモデルが用意されているが、LTEモデル(Surface Pro LTE Advanced)としてはCore i5搭載の1モデルのみが用意されている。

 公式にCPU名は公表されていないが、評価機で確認するとCore i5-7300Uだった。2コア・4スレッドで基本クロックが2.6GHz、Turbo Boostの最大クロック3.5GHzだ。2016年後半~2017年発売のモバイルノートPCでは採用例の多いCPUであるが、第5世代Surface Proでは、これをファンレスで運用している点が珍しい。ファンがないために、ファンの動作音がせず静音で、吸気口や放熱口を意識せずに気軽に持って使うことができるのは大きなメリットだろう。


CPUはCore i5-7300Uを搭載する。第7世代Coreプロセッサーのモバイル向けの中堅モデルとして採用例の多いCPUだ

 ちなみに、第5世代Surface ProのCore i7モデルは冷却ファンを搭載している。LTEモデムとアンテナはファンのスペースを活用して取り付けられているため、Core i7でLTEが使えるモデルはこの世代では登場する見込みはないということだ。

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 メモリは8GB、ストレージは256GB。評価機のSSDは、東芝のBG2シリーズ(THNSN0256GTYA)が採用されていた。NVMe対応のM.2タイプ(PCI Express 3.0×2)だが「1620」と少し変則的な小型のモデルで、シーケンシャルリード900MB/秒、シーケンシャルライト200MB/秒というスペックだ。


評価機のSSDは東芝のBG2シリーズが搭載されていた。PCI Express 3.0接続のNVMe SSDとしては高速な部類ではないものの、eMMCやHDDよりははるかに高速だ

高精細で美しいアスペクト比3:2の液晶ディスプレイ

 アスペクト比3:2の液晶ディスプレイ(Pixel Sense)もSurface Proの魅力の1つ。画面サイズは12.3型で、表示解像度は2736×1824ピクセル。画素ピッチは267ppiと高精細だ。表面は光沢仕上げで、写真などを鮮やかに表示できる。照明や外光は映り込みやすいが、輝度が高いのである程度カバーできる。

 エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」とカラーキャリブレーションツール「i1 Profiler」を使って計測した色域はsRGB面積比96.4%(カバー率102.6%)、輝度は457cd/m2、コントラスト比1483:1、色温度が7423Kだった。標準(Enhanced)以外にsRGBのICCプロファイルをあらかじめ持っているので、別途キャリブレーションツールを使わなくともsRGBのコンテンツを制作者の意図通りに再現できる。


i1 Display Proとi1 Profilerで作成したICCプロファイルをColor AC(Phonon氏・作)で表示させた。実線がSurface Pro LTE Advancedで、点線がsRGBの色域だ。完全にカバーしているといってよい

i1 Display Proとi1 Profilerによる計測結果(固有の値)

「ディスプレイ」の設定で「sRGB」カラープロファイルを選択できる

第7世代CoreのモバイルPCとして文句のないパフォーマンス

 ベンチマークテストで性能を確認しよう。CINEBENCH R15のCPUスコアは356。デュアルコアCPUとして悪くないスコアで、Core i5-7300Uのパフォーマンスはきっちり発揮できているといえそうだ。


CINEBENCH R15のスコア

 PCMark 10は、アプリケーションを使って、用途をシミュレートする内容。比較対象がないと分かりにくいので第5世代Coreのシステム(Core i5-5300U、メモリ8GB、SSD 250GB、内蔵GPU、Windows 10 Pro 64bit)と比較してみたが、オフィスのProductivityで大きく上回っていることをはじめ、日常操作系のEssential、クリエイティブ系のDigital Content Creation、いずれも上回っており、ファンレスである不利を感じさせない。


PCMark 10のスコア。比較対象は、Lenovo ThinkPad X250のカスタマイズモデル(Core i5-5300U、メモリ8GB、SSD250GB、内蔵GPU、Windows 10 Pro 64bit)

 3DMarkのスコアも第7世代Coreプロセッサーのモバイルとしては妥当なスコアがでている。

 ファンレスのため、連続稼働時のサーマルスロットリングも気になるだろう。FINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークは、5回連続して実行みた。初回と2回目以降のスコアに少し差があるが、3回目以降は2900強と安定していた。


3DMark/FireStrikeのスコア

3DMark/SkyDiverのスコア

ファンレスだけにFINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークを連続して実行すると2回目以降はスコアは落ちるが、まずまずのスコアといえる

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