コラム

最新のIntel NUCで自作して分かった2つの驚きさらば平成、さらば水冷、いくぜNUC(2/3 ページ)

Intelの超小型PC「NUC」を手に入れたとあるユーザーが、ほぼ5年ぶりにPCを自作。すっかりさび付いていた“自作魂”に火をつけたものとは何だったのでしょうか。

5年分の進化が感じられるベンチマークテストの結果

 ベンチマークテストにはFuturemarkの「PCMark 10 v1.1.1739」と、MAXONの「CINEBENCH R15.0」を使いました。ただ、PCMark 10ではIntel NUCで「Digital Content Creation」の「Rendering and Visualization」テストでエラーが発生してしまったため、測定できた結果のみ紹介しています。

 比較用として、これまで5年にわたって使ってきた自作水冷PCを掲載しました。詳細は第1回の記事にも書きましたが、CPUは第4世代のCore i7-4790K(開発コード名:Haswell Reflesh)で、メモリは16GB DDR3、SSDはTranscendのSolid State Drive 370(TS1TSSD370)の1TBという構成です。

 Intel NUCは第8世代Coreプロセッサを採用するほか、メモリもDDR4になっています。さすがにGPUは統合型ですが、約5年という年月の進化が、どのように数値に反映されているでしょうか。

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両モデルのスペック
モデル Intel NUC(NUC8i7BEH) 自作水冷PC
CPU Core i7-8559U(2.7~4.5GHz) Core i7-4790K(4.0~4.4GHz)
コア数 4コア8スレッド
TDP 28W 88W
GPU Intel Iris Plus Graphics 655 GeForce GTX 970(4GB)
メモリ DDR4-2400 SO-DIMM 16GB(8GB×2) DDR3-2133 16GB(8GB×2)
ストレージ 1TB SSD(NVMe) 1TB SSD(Serial ATA)
OS 64bit版Windows 10 Home
ベンチマークテストの結果
PCMark 10 v1.1.1739
モデル Intel NUC 自作水冷PC
Extended Score 5183
Essentials Scenario 9237 8703
App Start-up Score 12171 10831
Video Conferencing Test 7789 7409
Web Browsing Score 8315 8215
Productivity Scenario 7367 7723
Spreadsheets Score 8843 9705
Writing Test 6139 6146
Digital Content Creation 5621
Photo Editing Score 5603 6095
Rendering and Visualization Score 6857
Video Editing Score 4902 4250
CINEBENCH R15
OpenGL 86.54fps 108.14fps
CPU 770cb 839cb

Intel NUCにおけるCrystalDiskMark 6.0.2(1GiB)の結果。NVMe SSDの最新モデルだけに高いスコアを記録しています

こちらは自作水冷PCの結果です。SATA接続ならではの数値になっています

 さすがにグラフィックスカード(GPUはGeForce GTX 970)を搭載しているだけあって、GPUに関連するテスト結果は自作水冷PCが勝っていますが、その他の値はIntel NUCが5%~10%程度上回っています。ゲーム関連のテストをすればさらに差は開きますが、ライトなゲームタイトルならば、Intel NUCでも十分なパフォーマンスを発揮してくれそうです。

 一方ストレージの差は圧倒的で、水冷PCではHDDに比べて高速に動作していたSSDも、Intel NUCと最新のNVMe SSDという組み合わせの切れのよさにはかないません。ファイルの圧縮や解凍でも体感できるレベルで差がありました。

 気になる発熱については、それぞれのマザーボード上にあるセンサーのため単純比較はできませんが、CPUは水冷PCが45度~50前後、Intel NUCが50度~90度前後(中心帯は60度~70度前後)で推移していました。ただ、ボディー全体が熱を帯びるといったこともなく、冷却ファンの風切り音も高音で耳障りなタイプではなく、負荷に応じてすぐに回転数が落ちる状態でした。その変動が目立つ場合もありますが、本モデルはあまり気になりませんでした。

 何より、通常の音楽再生やオフィスアプリを使う程度ではほぼ無音(暗騒音に隠れてしまう程度)状態で、電源ファンやケースファンがある水冷PCよりも静かに感じたのは想定を上回るものでした。

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