GeForce GTX 1650はライトゲーマー層に福音をもたらすのか:エントリーグレードのTuring登場(3/3 ページ)
NVIDIAが、モバイル向けのGeForce GTX 1600シリーズと同時にアナウンスしたのが、デスクトップPC向けのGeForce GTX 1650だ。その性能はいかほどのものか、AMDのGPUと合わせてテストをしてみた。
消費電力を見ていくと、アイドル時の対GeForce GTX 1050 Tiとの差の2.6Wは誤差の範囲だろう。そして高負荷時の5.3Wもこれも誤差の範囲と言えそうで、つまりほぼGeForce GTX 1050 Tiと同じだ。PCI Express x16スロットからの75Wの供給で間に合うクラスなので当然と言えば当然だ。製造プロセスのシュリンクと、アーキテクチャの進化で、電力あたりの性能比が向上していることが改めて感じられる。
なお、あえてここまで触れてこなかったが、性能面で最も高かったRadeon RX 570については、+80Wと大きい。今回テストに用いたSapphire「NITRO+ RADEON RX 570 8G GDDR5」は、OCモデルでかつ補助電源コネクタが8+6ピンという仕様である。PCI Express x16スロットからの電力だけでは足らないはずだ。ここから考えると、同じ価格帯で性能を重視するならRadeon RX 570も魅力だが、電源を交換せずにアップグレードしたい場合や、小型PCに組み込みたいといった場合はGeForce GTX 1650が選択肢になる。
エントリーグレードを支えるGPUが性能アップ
GeForce GTX 1650は、セグメントとしてGeForce GTX 1050クラスの後継であることは間違いない。GeForce GTX 1660とは明確な差がある。
ベンチマークテストの通り、比較的新しいゲームでも1280×720ピクセルなら画質設定次第で楽しむことができ、低画質であれば1920×1080ピクセルも可能だ。普段は軽量なゲームを楽しむことを前提に、GPU的には重いが気になるタイトルが出た場合も低画質かつ低解像度でお試しプレイはできる。いわゆるゲーミングPCの足がかりの1枚には適しているだろう。
GeForce GTX 1650カードの価格は、実売2万円前後で販売がスタートした。今回、引っかかるのはGeForce GTX 1650のTiグレードがアナウンスされなかったことだ。今後Tiグレードが出るとなるとこれまでのGeForce GTX 1600シリーズ、GeForce RTX 2000シリーズの流れで前世代より少し価格がアップとなるのだが、ないと言うのであればGeForce GTX 1650=GTX 1050 Ti後継として2万円前後というのは前世代と同じ価格帯と言えるかもしれない。
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