AMDが“Rome”“NAVI”など7nm製品で次世代のリーダーを目指す:COMPUTEX TAIPEI 2019
AMDが台湾国際会議中心で次世代GPUや第3世代Ryzenプロセッサなどの製品を発表した。ここでは、同社の7nmプロセス製品を見ていこう。
5月27の「COMPUTEX International Press Conference & CEO Keynote」で、AMDのリサ・スー社長兼CEOが、次世代GPUや第3世代Ryzenプロセッサなどの製品を紹介した。
AMDが次世代のリーダーシップを担っていく
冒頭でスー氏はAMDの足跡を振り返り、2000年に初めて1GHzを突破したCPUを皮切りに、2003年には64bit x86 CPUアーキテクチャ、2009年には初の1GHz超えGPUなど常に業界をリードし、2019年はCPU、GPUともに初の7nmプロセス製品の市販を開始する。そして、より優れたユーザー体験やさらなるコンピューティングパワーが求められている中で、AMDがそのリーダーシップを担っていく考えを示した。その中で重要となるのが、ハイパフォーマンス市場であり、AMDはそれを支える要素として下記の3つを上げた。
- 7nmの最先端プロセス技術
- Zen 2やNAVIといったハイパフォーマンスコア
- CPUコアと最先端のI/Oなどをチップパッケージ上で別々に統合することで進化を加速するChipletアーキテクチャ
スー氏は、次期7nmプロセス製品としては、データセンター向けのAMD EPYC “Rome”(開発コード名)、次世代GPUファミリーとなる“NAVI”、第3世代AMD Ryzenプロセッサと、それらをサポートするエコシステムであると説明した。
EPYCは、その登場から2年足らずにして60ものプラットフォーム、50を超えるクラウドプラットフォームへの採用と、データセンター市場におけるシェアを確実に伸ばしており、スーパーコンピューターのジャンルでも、次世代EPYCとRadeon Instinctをベースに、2021年までにOak Ridge National Laboratory、米エネルギー省、Crayと共同で1.5EFLOPS(エクサフロップス)以上の性能を持つスーパーコンピューター「Frontier」を開発し、世界最速の座を勝ち取ろうとしている。
Zen 2アーキテクチャを採用し、最大64コアを7nmプロセスで統合するRomeこと第2世代EPYCプロセッサは、第1世代のEPYCに比べ最大2倍のI/O帯域、最大4倍の浮動小数点演算性能を実現し、そのパフォーマンスはIntelのXeon Platinum 8280(開発コード名:Cascade Lake、28コア)を大きく上回るとして、2ソケットシステムによる科学演算のデモを披露。当初の計画通り、2019年第3四半期に市場投入する考えを示した。
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