USB Type-Cケーブル1本で接続可能な軽量14型モバイル液晶「ThinkVision M14」を試す:モバイルディスプレイの道(3/4 ページ)
デスクワークの作業効率化に欠かせないのが、マルチディスプレイ環境だ。従来はオフィスでの利用を前提に、一般的な外付けディスプレイを組み合わせる事例が多かったが、近年はモバイルタイプのサブディスプレイをノートPCと組み合わせ、外出先で使う事例も増えつつある。
両側面にUSB Type-Cポートを配置
この快適さが実現できているのは、USB Type-Cポートの配置によるところが大きい。本製品はスタンド部の左右側面にUSB Type-Cポートがあり、ThinkPadと並べると、ケーブルがちょうどThinkPadの背後に突き出る形になる。これにより、正面からケーブルが見えないようThinkPadの背後にはわせて、ThinkPad左側面のType-Cポートに接続できるのだ。
ちなみにマルチディスプレイ環境では、サブディスプレイが右側に来ることが多いが、本製品はUSB Type-Cのポートが左右どちらにもあるのを生かし、ノートPCの左側に並べるのも容易だ(実際には、どちらの場合も左側面のType-Cポートからつないだ方が、スマートな配線が可能だ)。
Type-Cならではの柔軟性のある電力供給が可能
さて、本製品を使う上で気になるのが電力供給だ。本製品はバッテリーを内蔵しないため、外部からの電源供給が必要となる。今回のThinkPad X1 Carbon(2019)との組み合わせでは、電源供給は大きく分けて2つのパターンがある。
まず1つは、ThinkPad側から本製品に給電するパターンだ。本製品をThinkPadに接続すると「ThinkPad→本製品」の向きに、電源供給が行われる。簡易テスターを使った限りでは、供給される電力は5V/0.5A程度と控えめだ。この場合、電力も映像信号も、どちらも同じ向きに流れていることになる。
また、ThinkPad X1 Carbon(2019)のType-Cポートのうち、1つにACアダプターをつないだ場合も、同様に「ThinkPad→本製品」の方向に電源供給が行われる。1台のACアダプターで、ThinkPadと本製品、両方に給電を行っている格好だ。
もう1つ、本製品側からThinkPadに給電するパターンもある。本製品とThinkPadを接続した状態で、本製品のもう1つのType-CポートにThinkPad付属のACアダプターを接続することで、本製品に給電しつつ、さらにThinkPadにも給電が行える。電力は「本製品→ThinkPad」、映像信号は「ThinkPad→本製品」と、向きが逆になるのが肝だ。
ちなみに簡易テスターで確認したところ、このつなぎ方では、本製品からThinkPadに20V/0.5A程度の電力が供給されている。電圧が20Vであることから、USB Power Deliveryによる給電が行われていることが分かる。
つなぎ方を変えたところで、特に何のメリットもないように思えるが、実際にはそうではない。本製品経由でThinkPadに給電する場合、ThinkPadにつながっているケーブルが1本だけになるため、ThinkPadを持ち出す場合に、1本のケーブルを抜くだけで済む。持ち出しの頻度が高い場合は、これは大きな利点だ。
ただしこの場合、本製品のType-Cポートが2つとも埋まるため、別のType-Cデバイスを接続できなくなる。利用スタイルや配線状況などに合わせ、ケースバイケースで使い分けるとよいだろう。
もっとも、これらの接続を実際に行ってみると、最初のうちはかなりややこしい。これは本製品に限らずType-Cでの給電時にはよくある話なのだが、ケーブルを接続する順番によって、うまく給電ができたり、できなかったりする場合があるからだ。
上記の結果も、最初に試した時はできなかったのに、次に試したらうまくいった、という結果を含んでおり、完全に再現しづらいのがややこしい。ともあれ、もし実機で試してうまくいかないことがあれば、あきらめて別のポートで試す前に、ケーブルを接続する順番を変えて試してみることをお勧めする。
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