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PCの新たな可能性を切り開く「Optane Persistent Memory」――「Intel Memory & Storage Day」レポート その2(2/5 ページ)

Intelが、SSDを含むストレージ関連の半導体技術を一挙に紹介する「Intel Memory & Storage Day」を韓国で開催した。この記事では、同社のメモリ事業の命運を握る「Optane Persistent Memory」に関する動向を紹介する。

Optane Mediaのポテンシャルをフルに生かせるPersistent Memory

 Optane Persistent Memoryは、DRAMより低コストでNANDフラッシュメモリよりも数倍低レイテンシのOptane Mediaを搭載したデバイスだ。DDR4規格のDIMMとピン互換のフォームファクターとインタフェースを利用する。

 「ストレージデバイス」であるOptane SSDとの決定的な違いは、システム上で「メモリデバイス」として認識させることが可能なこと。つまり、アプリケーションが、ソフトウェアのレイヤーを介さずにダイレクトにアドレスを指定してアクセスできる。

 アプリケーションがストレージデバイスにアクセスするには「ストレージスタック」と呼ばれる数層のOSのソフトウェアレイヤー(ファイルシステム、デバイスクラス、ポートドライバなど)を経由する必要があり、これが大きなオーバーヘッドとなる。

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 ストレージスタックの回避によるレイテンシの低減効果――低レイテンシで高耐久、小さい単位でのアクセスも高速という、Optane Mediaの記憶素子としてのNANDフラッシュメモリに対する原理的な優位点も大きな意味をもってくる。


基調講演に登壇したKristie Mann氏(Data Center Groupシニアディレクター)。データセンターにおけるOptane Persistent Memoryのメリットやロードマップを示した

同じく基調講演に登壇したMohamaed Arafa氏(Data Center Groupシニアプリンシパルエンジニア)。Optane Persistent Memoryの技術面を解説した

Optane Persistent Memoryの特徴

Optane Persistent Memoryは64B単位でアクセスが可能だ

Optane Persistent Memoryは、ハードウェアとしてのレイテンシが極めて低いことに加え、ソフトウェアレイヤー層(ストレージスタック)を経由しないアクセスが可能なため、ソフトウェアレイテンシもかからない

「Memory Mode」と「Application Direct Mode」の2種類がある。前者はDRAMをキャッシュとして使い、後者はアプリケーションからDRAMとOptane Persistent Memoryそれぞれに直接アドレスを指定してアクセスできる

Optane Persistent Memoryは、NANDメモリに比べて最大1000倍レイテンシが低い

データセンター向けOptane Persistent Memoryシステムのロードマップ

 続いては、Persistent MemoryのPersistency(永続性)について見ていく。

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