マウスのDAIVとUSBアダプターで10GbE環境を構築――もう1ギガビットには戻れない:写真や動画などの大容量データをスムーズに(2/4 ページ)
10GbEや2.5GbEといった、ギガビットを超える高速ネットワークが身近に迫ってきている。USBアダプターやNASを使った“現実的な”10GbE環境の構築方法を探ってみた。
Thunderbolt 3対応ノートPCなら10GbEの増設が可能
10GbEを利用するには、PC側に10GbEポートが必要なわけだが、一部の映像制作PCやゲーミングPCなどのハイエンドPC(ワークステーションは別として)くらいしか標準で搭載しているモデルはない。
デスクトップPCの場合、PCI Express 3.0 x4あたりの拡張スロットに空きがあれば10GbE対応NICを増設できる。一方、昨今のようにメインがノートPCになると対応の可否が分かれる。
ノートPCを高速なネットワークに対応させる場合、これまでならそれよりも速いインタフェースに変換アダプターを挿して対応させてきた。1GbE非対応のノートPCなら、5GbpsのUSB 3.0ポートに変換アダプターを挿して1GbEポートを増設するといった形だ。ところが10GbEの場合、10GbE自体の速度が速いため、USB対応の変換アダプターは数少ない(2.5GbE対応アダプターは存在する)。
Thunderbolt 3(将来的にはUSB4)も、これまでは比較的ハイエンドノートPCや一部のモバイルノートPCにしか搭載されていなかった。その意味で、既存のノートPCのほとんどは10GbEへのアップグレードには対応せず、必要なら買い換える必要が生じる。Thunderbolt 3対応ノートPCを選んでいたらラッキーということになる。
ただし、2019年に登場したIntelのIce LakeやComet Lake(開発コード名)世代を境にアッパーミドル級ノートPCにも搭載モデルが増え、また、Thunderbolt 3の技術がUSB4のベースとなる発表もあり、今後さらに増えていくことになると予想される。今まさに、ノートPCの買い換えを検討しているならば、Thunderbolt 3対応をポイントに選べば今後の10GbEへの備えとなる。
現実目線で10GbE対応環境をそろえてみた
こうした条件で集めた、検証機材を紹介していこう。
まず、Thunderbolt 3対応のノートPCとして、マウスコンピューターのクリエイター向けモデルで「DAIV-NG5810M1-M2S5」を用意した。DAIV-NG5810M1-M2S5は、右側面にThunderbolt 3対応のUSB Type-C端子を装備している。10GbEのような高速インタフェースの処理を行うにはCPU処理能力も十分なものが求められるが、DAIV-NG5810M1-M2S5なら6コア12スレッド対応のCore i7-9750Hを搭載しているので不足はない。今回の10GbE検証では関係ないが、GeForce RTX 2060 GPUを装備し、映像制作や配信、写真補正、そして3D制作などの用途で活躍する製品だ。
次にThunderbolt 3→10GbEアダプターだ。該当製品は各社から登場しているが、今回はStarTech.comの「TB310G」を用意した。低価格化が進んだNICと比べるとまだ高価だが、拡張性の少ないノートPCで10GbEを利用できればより長く現役で使い続けることができるだろう。
マウスコンピューターでは、10月からこのUSBアダプターを一部モデルのBTOメニューで選択できるようになった。BTOオプションの価格は税別2万7900円で、アダプターというよりはちょっとしたボックスの形をしている。
サイズは約75(幅)×102(奥行き)×29(厚さ)mmで、ファンレスの金属製ボディーなのでずっしりとした重量感がある。ボディー側面がヒートシンク、前後に貫通する空洞を設けるなど、冷却対策もしっかりした製品だ。
インタフェースは片側にThunderbolt 3(Type-C)端子、反対側に10GbE対応のRJ-45端子を備えている。また、長さ30cmのThunderbolt 3対応Type-Cケーブルも付属する。
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