新「iPhone SE」は単に“爆速なiPhone 8”ではない いち早く試して判明した違い:本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)
第2世代「iPhone SE」を試したところ、ベースになった「iPhone 8」と比べて劣るところは一つもなく、最新プロセッサを搭載したことによる利点が十分に感じられた。また、iPhone 8とほぼ同じ形状なのだが、細かな違いと注意点も明らかになった。
“設計が同じ”だが“全く同じ”ではないiPhone SE
冒頭で前面ガラスの形状が全く同じではないと書いた。しかし、設計上は同じ図面である。ではなぜ違うのか。正確には「同じ場合もあれば、多少、違っている場合もある」のだ。
例えば、筆者が試用したホワイトのiPhone SEにiPhone 8用の保護ガラスを使うと、周辺に空気が入ってしまう。しかし、どうやら中にはきっちりと貼れる個体もあるようだ。
こうした違いが出てくるのは「iPhone SEの作り方」に起因している。iPhone SEの外観はiPhone 8と同じで、内部のメカニカルな構造まで共通になっている。基板の形状まで同じという話があるほどだ。なぜ全く同じになっているかといえば、既に償却しているiPhone 8の組み立てラインをそのままシフトしてiPhone SEの生産に割り当てられるからだ。
一方、調達する部品に求められる品質はわずかではあるが変化している。iPhone 8のガラスは、いったん熱で曲げて曲面を作った上で、平滑になるよう切削と研磨を行って成形していた。これはiPhone SEでも同じなのだが、周辺から平滑になるところまでのカーブの公差(誤差)が、iPhone SEでは少し緩められているようなのだ。
ちなみにiPhone SE用に設計された前面保護ガラスは、iPhone SEにおける問題がクリアされている。既に量販店などで販売が開始されているiPhone SE用の前面保護ガラスの中から、トリニティの「Simplism」ブランドの製品を選んで試してみたが、周辺部に気泡が発生することはなかったことをお伝えしておきたい。
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