レビュー

iPad Pro用「Magic Keyboard」のよいところ気になるところじっくり使って分かった(1/4 ページ)

Apple純正のiPad Pro用キーボードに、トラックパッド付きの「Magic Keyboard」が登場した。発売以降、供給不足が続いているが、従来のSmart Keyboard Folioとの違いは何なのか、11インチと12.9インチのそれぞれで比較した。

 AppleからiPad Pro用のMagic Keyboardが登場した。折りたたむとiPad Proの保護ケースにもなる、トラックパッド付きのキーボードだ。

 従来のSmart Keyboard Folioは、カバー兼用のキーボードとしての完成度は高かったが、キータッチがかなり特殊で、長時間の効率的なテキスト入力には不向きな仕様だった。それを抜本的に見直し、MacBookシリーズと同等の操作性にまで引き上げつつ、さらにiPadOS 13.4からサポートされたトラックパッドも搭載したのが、今回の製品ということになる。

 ここでは、メーカーから借用した11インチおよび12.9インチモデルそれぞれについて、従来のSmart Keyboard Folioとの比較を中心に、しばらく使い込んだ感想をお届けする。なおキーボードはいずれもJIS版、iPad ProはいずれもWi-Fi + Cellularモデルを用いている。

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iPad Pro用「Magic Keyboard」を装着した状態。左が12.9インチ、右が11インチモデルだ

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重量は気になるがよくできたギミック

 筆者は11インチ用のSmart Keyboard Folioを所有して使っているが、本製品をパッケージから取り出してまず驚いたのがその重さだ。あまりにもズシリと来るので、あらかじめiPad Pro本体が挟まっているのではないかと一瞬疑ってしまったほどだ。

 というのも、このMagic Keyboardは従来のSmart Keyboard Folioに11インチiPad Pro本体を装着した状態と比べても、重量差がわずか180gしかないからだ(前者が594g、後者が776g)。ともにiPad Proを装着した状態だと、Magic Keyboardは1063g、Smart Keyboard Folioは776gと、300g近い差がある。外見はそっくりながら、なかなか曲者だ。

 一方、取り付けは簡単だ。マグネットで吸着するため位置がずれることもなく、取り外しも容易に行える。背面カバーのカメラ部の出っ張りも、このカバーに空いた穴で、きれいに収まるよう工夫されている。


11インチモデルに取り付けた多ところ。トラックパッドも備えており、見た目はノートPCと相違ない

背面。ディスプレイ部が浮いているのが分かる。角度は、これ以上背後には倒れない

たたむと従来のSmart Keyboard Folioと同じくカバーを兼ねた状態になる

両側面は露出した状態になる。ヒンジ部がやや存在感がある

前面は両側面と同じく露出している。ヒンジ部は上面の底面と同じ素材で覆われている

落下時の角からの衝撃にはあまり強くはなさそうだ。この辺りは従来のSmart Keyboard Folioと同じだ

重量は単体で594g(11インチ)、696g(12.9インチ)。ちなみに11インチSmart Keyboard Folioは293gなので、倍くらいも違う

iPad Proをセットした状態での重量は1063g(11インチ)、1341g(12.9インチ)。ちなみに11インチSmart Keyboard FolioとiPad Proのセットでは776gだ

カメラ部に合わせて穴が開けられており、装着した状態で利用できる

取り外す時はここを持ち上げる。本体ごと移動させたい時に、ここを持たないように注意しよう

ヒンジ部の側面にUSB Type-Cポートを用意

 本製品の特徴の1つに、ヒンジ部の側面にUSB Type-Cポートが用意されており、パススルー充電が行えることが挙げられる。iPad Pro本体側に直接つなぐのと違って、ケーブルが邪魔にならない。キーボードで入力作業をしながらiPad Proを充電できる、非常にスマートな仕組みだ。

 このヒンジ部は、見方を変えると重量増の要因になっているわけだが、これ以上簡略化すると強度的にiPad Proを支えられなくなる可能性もあり、今回の構成がギリギリの妥協点であったであろうことは容易に想像できる。


バックライト付きのキーボードはMacBookシリーズと同じ配列で、トラックパッドも備える。ただしTouch Barに相当する列はない

ヒンジ部左にあるUSB-Cポートからパススルー充電が行える。外部デバイスへの充電は行えない

iPad Pro本体にケーブルを挿しても構わないが、ヒンジ部の方がスマートだろう

 続いて、キーボードを使って入力していこう。

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