レビュー

JBLの最新ゲーミングヘッドセット「Quantum ONE」でプレイ環境がどこまで変わる?(1/2 ページ)

ゲームをやり込めばやり込むほど、サウンド環境は鍵を握るポイントとなる。テレワークで注目を集めたヘッドセットだが、ゲーミング用途に特化した製品が続々と登場している。JBLの新製品を試してみた。

 ハーマンインターナショナルが、オーディオブランド「JBL」より5月22日に発売したゲーミングヘッドセット「JBL Quantum ONE」。価格は公式ストアで税別2万4800円と、ハイエンドゲーマー向けの製品となっている。


ハイエンドゲーマー向けのヘッドセット「JBL Quantum ONE」。装着感はやや強いので、眼鏡を常時使用する人は気になるかもしれない

JBL初のゲーミング向けヘッドセット

 本製品には、JBL独自の音響テクノロジー「JBL QuantumSPHERE 360」(クオンタムスフィアサンロクマル)が利用できるようになっており、内蔵されたヘッドトラッキング機能と合わせてゲーム中のサウンド配置精度を向上させ(7.1chのバーチャルサラウンドやDTS Headphone X 2.0対応)、ハイクオリティーな音響と没入感を得られるという。これとともにWindows専用ソフトウェアの「JBL QuantumENGINE」でイコライザーを設定して特定の音を強調したり、ヘッドセットのライティングを変えられたりと、さまざまな設定が可能となる。

 実際の使い心地について、ゲームプレイや普段のオーディオ視聴など、その性能を楽しんでみた。

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JBL Quantum ONEのパッケージ

オレンジがアクセントの黒いボディー

 まずヘッドセット本体だが、外装は黒で統一されており、USBコネクターやメッシュで覆われたケーブルのところどころに、オレンジがアクセントカラーとして配置されている。さらに、左右のイヤーカップにJBLのロゴが銀色に光っているのが美しい。


パッケージに付属するケーブル類。どれもオレンジがアクセントに配され鮮やかだ。ブームマイクは着脱式となる。なお、USB Type-C to USB Type-Cケーブルは付属しない

 イヤーカップは内部が半透明に透ける素材で、左右にLとRの文字があるため、着ける方向がすぐに分かるのがいい。ヘッドバンドとイヤーカップのクッションは厚く、イヤーカップをぐるりと回せば「開き」の状態にできる。なお、マイクは着脱可能だ。


イヤーカップにJBLのロゴがある。PCに接続すると、ロゴ周囲の溝も点灯する

50mm径のダイナミック型ドライバーを採用する。大きなLとRの文字が印刷されている

 接続端子はUSB(Type-C)と3.5mmの4極ステレオ端子に対応しており、PCだけでなく、プレイステーション4やNintendo Switchのような家庭用ゲーム機でも利用できる。ステレオ端子では一部の機能が制限されるが、ケーブルに音量調節とマイクのミュートボタンが配置される。一方、USB端子ではケーブル途中のデバイスでゲーム音とチャット音声のバランス調整が可能となっている。


USB接続用ケーブルにあるユニット。USB接続すると2つの音声デバイスとして認識され、ゲーム音とチャット音声のバランスを調整できる

こちらは3.5mmケーブルにあるユニットで、音量とマイクのミュートボタンがある

 左のイヤーカップには、各種機能のオン/オフ用ボタンが用意されている。機能は上からANC(アクティブノイズキャンセリング)機能のオン/オフ、トークスルーのオン/オフ、ヘッドトラッキング機能の再センタリング、マスター音量の調整、マイクミュート/LEDライティング機能のオン/オフだ。2つの機能があるボタンは、押す長さで使い分ける。


ボタンはクリック感があるので押しやすく、ボタン同士が離れているため手探りでも分かりやすい

上からマイク用端子、ヘッドフォン用ステレオ端子、USB Type-C端子が並ぶ

 また、左右のイヤーカップはUSBで接続すると鮮やかに光る。これは後述する「JBL QuantumENGINE」で光り方を調整可能だ。

良好なANC機能でストレスを大きく軽減

 本製品の特徴の1つである、ANC(オートノイズキャンセリング)機能だが、イヤフォンやヘッドフォンの遮音性を高めるため、周囲の環境音を信号処理技術により消してくれる。これに加えて周囲の音をマイクで拾い、ヘッドセットを装着したままでも会話を楽しめるトークスルー機能を搭載し、ヘッドセットを用いたチャットも、リアルなコミュニケーションのどちらもカバーしてくれる。

 このANC機能を、風が強い日に窓を開け放して試したところ、煩わしく感じた風の音がしっかりと消えてくれた。周囲に流れるTVの音声や家族の声は軽減するのみにとどまっていたが、あまり音が消えすぎると不快感が生まれるため、ちょうどよい塩梅なのだろう。

 この機能を有効にしながら実際に音楽を再生すると、エッジの効いたようなはっきりした音を聞けた。イコライザーを調整しなくても、ベースの音からボーカルの細かなビブラートまで詳細に聞き取れる印象だ。音量を小さめにしてもそれぞれの音がはっきりと聞けるため、耳に負担がかかりにくいのがうれしい。

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