「VAIO SX12/SX 14」にIce Lakeモデル登場 10月9日発売:S15には「ホワイト」「4K HDR」モデル
VAIOのモバイルノートPCが「Ice Lake」を搭載して刷新される。CPUとGPUを強化することで、テレワーク需要に応える。
VAIOは10月9日、12.5型モバイルノートPC「VAIO SX12」「VAIO Pro PJ」と14型モバイルノートPC「VAIO SX14」「VAIO Pro PK」の第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Ice Lake)モデルを発売する。いずれも、10月1日9時から「ソニーストア」「VAIOストア」で受注を受け付ける。
また、同社は11月6日、15.6型ノートPC「VAIO S15」「VAIO Pro PH」をマイナーチェンジする。本体仕様に大きな変化はないが、ホワイトのボディーカラーと、4K(3840×2160ピクセル)HDR対応液晶ディスプレイのオプションが追加される。受注は10月21日9時から受け付ける予定だ。
VAIO SX12/Pro PJ/SX14/Pro PK
VAIO SX12は個人向けの12.5型モバイルノートPCで、VAIO Pro PJはその法人向けモデルとなる(以下まとめて「SX12」とする)。同様に、VAIO SX14は個人向けの14型モバイルノートPCで、VAIO Pro PKはその法人向けモデルとなる(以下まとめて「SX14」とする)。ソニーストアにおけるカスタマイズモデルの最小構成価格は、個人向けモデルが14万9800円、法人向けモデルが15万2800円だ。
個人向けモデルについては1月にアーキテクチャの異なる第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Comet Lake)モデルをリリースしているが、法人向けモデルについては2019年7月以来の全面刷新となる。
先述の通りCPUはIce Lakeアーキテクチャの第10世代Coreプロセッサとなる。とりわけ法人向けでは管理機能「Intel vPro」へのニーズがありそうだが、あえてvPro“非対応”となるIce Lakeを採用したのは「テレワーク需要の高まりを受けて、(vProよりも)高いCPU性能とGPU性能へのニーズが高まった」(担当者)ことを受けての判断だという。
カスタマイズモデルでは、以下のCPUから選択できる。Core i3はカスタマイズモデル限定となる。Core i5/i7は量販店モデルでも用意され、VAIO独自のチューニング「VAIO True Performance」を適用し、ピーク性能を極力長時間維持できるようにしている。
- Core i3-1005G1(1.2GHz~3.4GHz、2コア4スレッド、UHD Graphics)
- Core i5-1035G1(1GHz~3.6GHz、4コア8スレッド、UHD Graphics)
- Core i7-1035G1(1.3GHz~3.9GHz、4コア8スレッド、Iris Plus Graphics)
メインメモリはLPDDR4x規格で、カスタマイズモデルでは8GB、16GB、32GBのいずれかを搭載できる。量販店モデルでは、SX14の最上位(4K液晶)のみ16GBで、その他のモデルは全て8GBのみとなる。オンボード実装なので、後から増設・換装はできない。
ストレージは全モデルでPCI Express接続のSSDとなった。「スタンダードSSD」は自己暗号化機能(OPAL)付きで、カスタマイズモデルでは128GBまたは256GBから選択できる。「第3世代ハイスピードSSD」はOPALを備えないが読み書きがより高速で、カスタマイズモデルでは256GB、512GB、1TB、2TBから選択できる。量販店モデルでは、最上位のみ第3世代ハイスピードSSD(SX12が256GB、SX14が512GB)で、その他のモデルは全て256GのスタンダードSSDとなる。
ディスプレイはSX12がフルHD(1920×1080ピクセル)の12.5型液晶で、SX14が4KまたはフルHDの14型液晶となる。SX14のカスタマイズモデルでCPUをCore i3とした場合は、4K液晶は搭載できない。
Webカメラは量販店モデルでは「IR(赤外線)顔認証付きフルHDカメラ」が搭載され、カスタマイズモデルでは「HDカメラ」(顔認証なし)も選択できる。指紋認証センサーは量販店モデルは全て標準搭載され、カスタマイズモデルでは「非搭載」も選択できるが、一部の構成では必ず搭載される(非搭載を選択できない)。
キーボードは従来と同様で、量販店モデルでは日本語配列のものが搭載され、カスタマイズモデルでは米国英語(US)配列のものも選択できる。ただし、米国英語配列を選択した場合は、指紋センサーは必須となる。
ポート類は左側面に電源端子、USB 3.0 Type-A端子×2、イヤフォンマイク端子を、右側面にSDメモリーカードスロット、USB 3.1 Type-A端子(常時給電対応)、USB 3.1 Type-C端子、HDMI出力端子、Ethernet端子、アナログRGB(D-Sub)端子を備える。
右側面のUSB Type-C端子はUSB Power Delivery(USB PD)による電源入力と、DisplayPort出力を兼ねている。電源入力については、USB PDに準拠しないUSB電源からの充電が可能なVAIO独自の「5Vアシスト充電」にも対応している。
なお、映像出力についてはHDMIが最大で「4K/60Hz」、DisplayPortが最大で「5K(5120×2880ピクセル)/60Hz」の映像に対応するようになった。
無線通信はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax:最大2.4Gbps)とBluetooth 5.1に対応する。量販店モデルの上位構成ではLTE通信機能も搭載し、NTTドコモ、au、ソフトバンクのSIMカードを別途用意すればモバイル通信を利用できる。LTE通信機能はカスタマイズモデルでも選択可能で、VAIOストアではオリジナルのプリペイドSIMカードが付属する。
ボディーカラーは、SX12がブラック、ブラウン、シルバー、ピンクの4つ、SX14がブラック、ブラウン、シルバーの3つとなる。量販店モデルでは、最下位のみブラウンでその他のモデルはブラックとなる。一方、カスタマイズモデルは全色選択可能だが、ブラウンまたはピンクを選択すると指紋センサーは必須となる。
ALL BLACK EDITIONとRED EDITIONも
今回の新モデルでも、カスタマイズモデルの上位構成(Core i7)限定で黒色を強調した「ALL BLACK EDITION」と、赤色(レッド)をモチーフとした「RED EDITION」(個人向けモデル)が用意される。最小構成の販売価格は、ALL BLACK EDITIONが20万9800円、RED EDITIONが21万9800円となる。
両エディションは、キーの刻印を目立たなくした「隠し刻印キーボード」を選択できることも変わらない。
S15はホワイトと4K HDR液晶を追加
VAIO S15は、2019年11月に発表されたモデルから大きな仕様変更はない。
ホワイトモデルは、ユーザーからの要望が多かったために追加されたという。4K HDR液晶モデルは、比較的大きな画面でクリエイティブ用途に使うユーザーに向けた提案で、この構成のみ「Dolby Atmos」に対応する。4K HDR液晶はAdobe RGBが定める色域を100%カバーしている。
いずれのオプションも新たな量販店モデルとして用意される他、カスタマイズモデルで選択できるようになる。
関連記事
「VAIO SX12/SX14」に第10世代Coreプロセッサモデル登場 6コア12スレッドCPUな「RED EDITION」も用意
VAIOのクラムシェル型モバイルノートPCが第10世代Coreプロセッサを搭載してリニューアル。久しぶりに赤と黒のツートーンが格好良い「RED EDITION」も登場する。USB Type-C接続のアクセサリーも新規投入される。12.5型モバイルノートPC「VAIO SX12」誕生 11型サイズでフルサイズキーボード搭載
VAIOから新しいモバイルノートPCが登場。現行の「VAIO S11」とほぼ同一のサイズ感で、より大きな12.5型ディスプレイを搭載。キーボードをボディー端まで拡張したことで、より快適なタイピングも実現した。特別仕様は「ALL BLACK EDITION」と「勝色特別仕様」の2種類を用意している。VAIO、本社工場の整備で前年比2倍のPC生産体制を実現 テレワーク需要に対応
VAIOは、同社安曇野本社工場の生産体制強化を発表した。前年比で最大2倍の生産を実現できるとしている。みんなが信じてくれたから、今がある――独立から5周年 VAIOは次のステージへ
ソニーのPC事業を分社して発足したVAIO(バイオ)が、7月1日付で設立から5年を迎えた。それを記念した発表会で、同社の吉田秀俊社長がその歩みを振り返った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.