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ついに日本専用キーボードと3:2のアスペクト比にカジを切った日本HP「HP Spectre x360 14」を試す(1/5 ページ)

日本HPが12月に発表した個人向けPCの「Spectra」と「Envy」シリーズの中で、ひときわ目を引いたのが2in1タイプの「HP Spectre x360 14」だ。アスペクト比3:2の有機ELディスプレイに日本向けの専用キーボードを採用するなど意欲的な1台に仕上がっている。

 日本HPが元気だ。

 2014年に分社化されたHPと日本HPだが、同社の2020年第2四半期(2020年3~5月)はPC部門がプリンティング部門の利益を初めて上回っており、PCの好調ぶりがうかがえる。事実、米HPは、2020年4~6月のPC出荷台数で世界シェアNo.1(IDC調査)を獲得、この日本でもブランド別シェアでトップを記録した。

 新型コロナウイルスの影響で企業向けPCの需要が大きく落ち込む中で、日本HPは個人向けPC、特にノートPCの安定的供給などが功を奏して、同時期で日本国内の個人向けPC市場で初の2位を奪うなど、好調ぶりが顕著に表れている。

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新たに発表された個人向けPCの新モデル

 そのような背景の中で新たに投入されたのが、個人向けPCの「Spectra」と「Envy」シリーズだ。そのうち、物理シャッターを備えたWebカメラやマイクミュート機能、指紋認証センサーの搭載などシリーズ“初”となる要素を詰め込んだ「HP Spectre x360 14」の最上位モデル(モデル名:14-ea0048TU)をチェックした。


13.5型の有機ELディスプレイを搭載した「HP Spectre x360 14」。写真のカラーはポセイドンブルーだが、アッシュブラックも用意される

シリーズ初のアスペクト比を採用した有機ELディスプレイを搭載

 このSpectre x360 14シリーズの中で、評価機の最上位モデルならではの特徴が、画面解像度3000×2000ピクセル(267ppi)で、タッチ操作に対応した有機ELディスプレイを採用している点にある。シリーズ初となる縦横比3:2の13.5型ディスプレイは、画面を360度回せばタブレットモードとしての利用が可能だ。さらに本体には内蔵できないものの、アクティブペン(HP MPPアクティブペン)が標準で付属しており、手書き入力もスムーズにこなせる。


最上位モデルのみ、3000×2000ピクセルで3:2のアスペクト比を備えた有機ELディスプレイを備える(下位モデルは1920×1280ピクセルの液晶ディスプレイ)。画面占有率は約90%と従来と変わらない

高い性能と機能を兼ね備えたモデルにのみ貼付されるIntel Evoプラットフォームのシールが貼られている

 ワンタッチで画面の見える視野角を制限するプライバシーモード(HP Sure View Reflect Gen4)は下位モデルのみの採用となるが、本機は400ニトの明るさを確保するとともに、光沢タイプながら光の反射や画面への映り込みを抑えたアンチリフレクションコーティングの効果により、極端に明るい晴天下でなければそれほど気にならない程度に済んでいる(ただし、点光源に近い光は光の帯が6方向に出てしまい、黒っぽい画面では気になった)。

 HUAWEIのノートPCや日本マイクロソフトのSurfaceシリーズと同じ3:2というアスペクト比は、表示領域が縦方向に長くてWeb画面の一覧性が高く、タブレット時の扱いやすさも向上する。DCI-P3で100%という広い色域(出荷時にカラーキャリブレーションを実施)やブルーライトカット機能などとあわせて、非常に使いがいのある部分といえるだろう。


4096段階の筆圧検知に対応したアクティブペン。Microsoft Pen プロトコル(N-Trig)2.0をサポートし、USB Type-C端子経由での充電が行える

ペンの重量は約15gで、交換用のペン先も付属する。マグネットを内蔵しており、ボディーの側面にくっつけることも可能だ

2つのカスタマイズボタンを装備し、「HP Pen Control」でそれぞれに機能を割り当てられる

約92万画素のWindows Hello対応Webカメラを内蔵しており、キーボードに用意された専用ボタンでオン/オフを切り替えられる。写真はオフ状態の物理シャッターでカバーされている状態だ

 次に、注目の日本専用キーボードを見ていく。

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